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タイトル:六郷昔物語

赤沼の白蛇

2020年9月11日

 むかしむかしあったんだとっしゃ。子どもたちにいじめられてたちゃっこい白蛇がいたんだと。それを見つけたおずんつぁんは白蛇を助けて逃がしてやったんだと。

 その日の晩のこと、おずんつぁんの家の戸口でちゃっこい女子おなごわらす子が泣いて立ってたんだと。おばんつぁんはもぞこいと思って、女子わらす子を家の中さ入れてやったんだと。だけど、名前をたんねても、どっから来たのかたんねても、首を横さ振ってさっぱり何も答えねかったんだと。そしたら女子わらす子は、言葉を話せなかったんだとっしゃ。

 もぞこいと思ったおずんつぁんとおばんつぁんは、女子わらす子を育てることにしたんだと。雪のように色が白かったので、「ゆき」って呼ぶことにしたんだとっしゃ。おずんつぁんとおばんつぁんのうちは貧しかったんだげんと、ゆきが来てから家の中はほのぼの明るくなったんだとしゃ。ゆきは、家の手伝いを一生懸命してくれたんで、だんだん暮らし向きも良くなっていったんだと。おずんつぁんもおばんつぁんも、

「ゆきが来てくれて、ありがたくてこんなに嬉しいことござりせん」ってかだってだどっしゃ。

 

そうして、ゆきとの暮らしもずいぶん過ぎて、ゆきは気だてのいい、めんこい娘になったんだと。

ある日、ゆきは寺まで使いに行ったんだと。その途中で、村の若者(わげひと)に声をかけられたんだと。だけどゆきは、何も答えず急ぎ足で家さ帰ってきたんだとしゃ。

ゆきは、誰とも仲良くする気持ちはなくて、おずんつぁんとおばんつぁんのそばで暮らすことが何より幸せだったんだと。

年頃になっためんこいゆきに声をかける若者(わげひと)や、(オガダ)にしたいと家を訪ねてくる若者(わげひと)がいっぺぇいたんだけど、ゆきは家さひっこんで出て来なかったんだと。

言葉をしゃべれないゆきのことをもぞこいと思ってたおずんつぁんとおばんつぁんは、そのことを誰さも言わねぇで秘密にしてたんだと。

ところが、返ってそれがあだになってしまったんだねぇ。

話しかけてもししゃねふりしたり、はぐらがすゆきに、相手にされない若者(わげひと)はだんだんごしぇっぱらやけてきたんだと。

 そんなある日、なんとか自分の思いを伝えようとした若者が、ゆきを待ち伏せしたんだと。そして、

「オラのオガダになってけんか?エガスペ」って伝えたんだと。

若者の思いを聞いて、ゆきはありがてぇと思ったけど、それに答えらんねかったんだと。年をとったおずんつぁんとおばんつぁんのそばを離れるなんて、ゆきには考えられなかったんだべねぇ。

首を横に振って()っぺとしたっけ、若者(わげひと)はごっしゃいて、いぎなりゆきを切り捨ててしまったんだと。

すると、なんとゆきの姿は、みるみる大きな白蛇の姿に変わってしまったんだと。ぬるりぬるりと身体をくねらせ、そのまま赤沼に消えてしまったんだとっしゃ。

 

若者は、その一部始終をおずんつぁんとおばんつぁんに話したんだと。だけど、信じてもらえず、ただただ、おずんつぁんとおばんつぁんは悲しんだんだと。そして、ゆきの帰りを待ち続けたんだとっしゃ。

おずんつぁんとおばんつぁんは、ゆきが腹ぺこになってないか心配して、毎日赤沼の大きな松の木の下に食べ物を運んだんだと。ゆきが白蛇でも、めんこくてしかたなかったんだべね。

 

おずんつぁんとおばんつぁんは何日も何日も、松の木の下でゆきを待ってたんだと。

そうしてある日、その木の下でおずんつぁんとおばんつぁんは眠るように亡くなってたんだと。

それを知った若者は、おずんつぁんとおばんつぁんに申しわけねぇと思って、松の木の横に丁寧(までぇ)に葬ったんだとっしゃ。そして、ゆきを切った刀を埋めたんだと。その塚はいつからか剣塚(鶴塚)と呼ばれるようになったんだと。

 それから何年か過ぎた頃、松に巻き付く大きな白蛇を時々見かけるようになったんだと。

ある時、松にからまるその白蛇を殺してしまった若者が、不治の病にかかったんだとっしゃ。医者に診てもらってもいっこうに治らなくて、瀕死の状態になったんだと。困り果てた家の人は、拝み屋さんに頼んで見てもらったらば、なんと白蛇の祟りだったんだと。(ほこら)を建てて供養をしたら、たちまち病が治ったんだとっしゃ。生き物は殺生してはだめだね。どんな命も大切にしないとだめだね。どうぞわすれないでけさい。

 

 村には鶴塚の近くに、(かめ)が埋っていた塚があって、それはいつからか亀塚とよばれるようになったんだと。もう一つ、朝日長者が黄金を埋めたと言われる朝日塚があって、鶴塚、亀塚、朝日塚の三つの塚があるその集落は三本塚と呼ばれるようになったんだとさ。亀塚と朝日塚の話はまたこんど。

はい、こんでおわり。

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