市民企画学習サロン「福室再発見!いしぶみでわかる郷土のむかし」
2019年3月29日
福室再発見!「いしぶみでわかる郷土のむかし」
2019年3月29日
「宮城三十三観音句碑と観音信仰」
日 時 2月28日(木)10時~12時
講 師 東北学院大学文学部歴史学科教授 政岡 伸洋 氏
「仙台三十三観音」「奥州三十三観音」は有名ですが、「宮城三十三観音」は意外と知られていません。
福室近辺にはその札所が散らばっています。
政岡先生には、民俗学の視点から「三十三観音巡礼」と「宮城県内の三十三観音巡礼」についてお話していただきました。
三十三観音とは、観音は人々を救うため33の姿に変わるという法華経普門品の内容に基づいて、俗信の観音を33に整理したものです。
誓渡寺門前には3基の宮城三十三観音のご詠歌等を刻んだ石碑があり、この碑文の文面の情報から考えて見えてくるものなど
とても興味深く、いにしえのことが垣間見えました。
宮城三十三観音の場所とご詠歌の内容も紹介していただき、日本における観音信仰の展開や「宮城三十三観音句碑」建立前後の仙台藩領内の動きから成立の背景や建立の背景なども考えられました。
今後の課題としては、①東北地方は基礎的な調査資料が非常に少ない。②33か所丹念に訪ね、データの蓄積を図っていく必要がある。③今回取り上げたような民族には、その地域で精いっぱい暮らしてきた人びとの生きざまが反映されており、そのような視点からの研究が望まれているのではないでしょうか、
ということでした。
「"iいしぶみ”から福室の歴史と民俗を探る」
日 時 3月6日(水)10時~12時
講 師 村田町歴史みらい館専門員 石黒 伸一郎 氏
石黒先生には平成28年度の石碑の調査でご指導いただきましたが、今回は福室近辺の板碑についてより詳しくお話していただきました。
福室とその周辺30基ほどの板碑が確認されていますが、①四野山観音堂板碑②西光寺板碑③誓渡寺板碑の3基の板碑を紹介していただきました。
「山神の石碑」「火伏の石碑」などについてもお話していただき盛りだくさんの内容でした。
宮城野区福室には、中世の板碑をはじめ江戸から明治、大正時代の石碑や石仏、石塔などが多く、それを詳しく調べることによって、立てた人の「願い」ごとがわかってくるということです。
ここまでが本文です。