真美沢公園の四季 第三十六回 オカヨシガモ
2023年2月5日
真美沢公園は、以前あった八乙女の広域の水田地帯に向けて3段のため池があった里山が連なる地域に、仙台市北部を住宅地として団地が切り開かれた中で里山とため池といったセットで残されたと思われます。最後まで残されたため池の水を利用していた水田も商業地や住宅地に変わり、里山とため池が、自然豊かな地域資産として残されています。
第三十六回 オカヨシガモ
黒褐色のシックな色合いが際立つ
英語名:Gadwall
オカヨシガモは、越冬のため冬鳥として11月頃より日本にやってくる渡り鳥です。日本にやってくるオカヨシガモの繁殖地はシベリア、ロシア東部~極東部で生息し、他に北アメリカ大陸北部、ヨーロッパ北部で繁殖し、アフリカ大陸北部、ヨーロッパ南部、インド、中華人民共和国東部などへ南下し越冬するという。そして4月頃に北へ飛び立ちます。ちなみに北海道でごく少数であるが繁殖しているとのこと。
オカヨシガモは、湖沼、沼沢地、池、潟湖、水田、湿地などで見られます。シベリアなどの繁殖地では、浅い湖沼や大小の池や水路の多い湿地帯の湿原にすむという。日本への渡りは、10~40羽ぐらいの小群で飛来し、30羽ぐらいまでの群れが多く観られるという。真美沢沼では、正月になって半分以上が氷結した中で、中央部に十数羽の群れで寄り添って採餌している姿を捉えることができました。
見慣れてくると、「オカヨシガモのオス」は、体全体に細かい模様がありクチバシの黒とあいまってか、なかなかシックな色彩のカモです。特にお尻にかけての羽の黒と灰褐色の混じり具合に目が留まります。他のカモに比べてシックさがより最上と感じる渡りのカモです。
日本では群れていることは少ないとの記述が観られましたが、10数羽の群れで真美沢沼を採餌していることから、寒くなって氷で閉ざされたのか、国内の水場を群れでさらに南下してきたのではと推測します。飛翔する姿はカルガモに比べると軽快に飛び立っているように観えました。このまま真美沢沼で過ごしてもらえるといいなと。
オカヨシガモは、和名表記で「陸葦鴨」、海水域や汽水域を好む同様にシベリアから渡ってくるヨシガモに比ベて、内陸の湖沼を好んで飛来することからついたとのこと。ヨシは葦場を好んでいると捉えてと思われます。鎌倉時代には「ミカモ」などと呼ばれたが、江戸時代中期から他のカモ類と区別してオカヨシガモと呼ばれるようになったという。
食性は、主に植物食です。昼間は、水面で逆立ちして、タケノコのようにお尻を突き出して、沼底の水草の葉・茎・根などや、魚類、両生類などを食べます。夜間に水田や湿地に出て、主としてイネ科、カヤツリグサ科、タデ科などの種子、水生昆虫類、軟体動物の貝類、小魚類も食物とします。
2022年暮れから年明けにかけて寒気が押し寄せて、水面が凍っている湖や沼から追いやられるように南に下りてきたのかなと思います。せわしく動いて食していました。
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