真美沢公園の四季 第七十四回 ヤクシソウ
2023年10月29日
真美沢公園は、以前あった八乙女の広域の水田地帯に向けて3段のため池があった里山が連なる地域に、仙台市北部を住宅地として団地が切り開かれた中で里山とため池といったセットで残されたと思われます。最後まで残されたため池の水を利用していた水田も商業地や住宅地に変わり、里山とため池が、自然豊かな地域資産として残されています。
第七十四回 ヤクシソウ
頭花は12,3枚ほどの舌状花に、先が二つにカールした雌しべが特徴の黄色い花
英名:無し
北海道〜九州の山野の日当たりのよいところに生える二年草です。全体に無毛で、よく分枝して高さ0.3〜1.2mになります。路傍や崖地などの乾燥しやすい場所に生育しますが、比較的大きく生長し、枝分かれして高いものでは草丈1mほどに生長します。1年目はロゼットの状態で生育し、2年目の9月から11月にかけて直径1.5cmほどの黄色の頭花を数個ずつつけます。よく知るタンポポのように黄色い花びら一枚一枚が個々の花でその集まりの様となります。
その葉を縦に置くと、それこそ、薬師如来の光背の形に、その丸みが似ています。でも本来はレンゲソウの花びらの形を指し「舟形光」と分類されています。でも比べると、ヤクシソウの葉の形の方がしっくりと来ます。
1年目はロゼットの状態で生育し、2年目の8月から11月にかけて花を付ける越年草。1年目はロゼットを形成して根出葉のみで生育する。根出葉はさじ形から円に近い型になるものまでで葉柄があります。2年目に茎を出し、枝分かれして繁茂するが、花時には根出葉は枯れます。
薄い葉の縁は不規則に浅い鋸歯があり、茎の基部に付く葉は基部が楔形になって葉柄に流れて翼になっています。上部に付く葉は、より深く基部が耳状になって茎を抱きます。両面無毛で裏面は粉白色。秋が深まると赤い点ができやすい傾向もあるそうです。
花の真ん中には雌しべが集めりあり、長く伸びてさらに、二つにカールしているのが見分けるポイントの一つです。その雌しべのつけ根の部分に、取りまくように筒状になった雄しべが多数あります。黄色が濃く見えるのがそれです。黄色い舌状花が周りを囲むように位置して咲くことから一見一つの頭花に見えるといった様で咲かせているのです。
頭状花序をさせて取り巻くように付く総苞は黒緑色で、7mm~9mmの円筒形です。花のあと、頭花は下向きになり、下部はふくれてかたくなります。実りの準備がはじまっていきます。
秋になると近年、外来種のセイダカワダチソウなど黄色い花が、そこここに顔を出すようになりましたね。でも、日本の古から咲くヤクシソウは、アキノキリンソウと共に日本の山裾の晩秋を黄色く彩る代表的な野の花であり、この花を最後に山野の花の季節もほぼ幕を閉じるとされているそうです。
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