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更新日:2025年9月11日
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令和7年度 七郷こどもクラブ
第7回 親子で木工パズルづくり
令和7年9月6日(土曜日)
時間:10時~11時30分
場所:荒井児童館 遊戯室
共催:NPO法人アスイク 荒井児童館、宮城県職業能力開発協会 宮城県技能振興コーナー
講師:宮城県建具業連合会技能士会のみなさん
今回のものづくり講座は、荒井児童館を会場に、小学生とその保護者あわせて38名が参加しました。会場に足を踏み入れた瞬間、参加者たちは木材のやさしい香りに包まれ、並べられた工具の数々に、これから始まる体験への期待に胸を膨らませている様子でした。
宮城県には、「技能士」と呼ばれる、ものづくりのプロフェッショナルがたくさんいます。今回来ていただいた4人の先生たちは建具業の技能士で、しかも、卓越した技術と豊富な経験を持つ者に与えられる「マイスター」という称号が与えられた方々でした。講座の冒頭では、先生から「建具業」という仕事についての紹介がありました。建具業とは、建物のドア、窓、ふすま、障子など、開け閉めできる部分を製作・設置する仕事です。ふすまや障子の模型、そして繊細で芸術的な組子細工が施されたつい立てを先生が持参してくださり、木の温もりと職人技が融合した作品に触れ、子どもたちは驚きの声をあげていました。

続いては親子共同作業の立体パズルづくり。12個の木のパーツを組み合わせて完成させるこのパズルは、向きや順番を間違えるとうまく組み立てられません。先生は、金槌のことを職人用語で「玄能(げんのう)」と呼んでいて、道具の扱い方や釘の打ち方を丁寧に教えてくれました。子どもたちは、お父さんやお母さんにパーツを押さえてもらいながら、真剣な表情で釘を打ち込んでいきます。時には木材がずれてしまったり、釘が曲がってしまったりと、思うように進まない場面もありましたが、先生がすぐに駆けつけ、熟練の手つきで修正してくれました。ある子どもは、先生のアドバイスを受けて玄能の持ち方を工夫すると、作業がスムーズになり、自信を取り戻していました。何度も釘が曲がってしまっても、子どもたちはあきらめることなく、何回でもやり直しました。その姿を見守る保護者の方々も、応援の声をかけたり、手を貸したりと、親子の絆が深まる瞬間があちこちで見られました。そしていよいよ、すべてのパーツがカチッとはまってパズルが完成する瞬間、会場のあちこちで歓声と拍手が沸き起こり、子どもたちの顔には達成感と誇らしさが満ちていました。
講座の最後には、カンナ引きの体験が行われました。誰もが初めて触れる道具であり、最初は戸惑いながらも先生のサポートを受けて思いっきり手を動かしました。「筋がいいね!」と先生に褒められて誇らしげな表情を浮かべる子や、自分が削った木の薄い削りクズを手に取って感動する姿など、ものづくりの魅力に触れた瞬間がそこにはありました。
この講座を通じて、参加者たちは本物の匠の技に触れ、「職業観」や「ものづくり」に対する理解を深めることができました。実際に材料に触れ、工具を使い、木の香りや音を感じながら何かを作るという体験は、デジタルでは得られない、五感を通じた貴重な学びとなったようです。
第6回 熱血!水バトル大会
時間:令和7年8月23日(土曜日)14時~15時
場所:七郷市民センター・児童館 館庭
共催:七郷児童館
協力:ジュニアリーダー郷郷七郷および若林区ジュニアリーダー
夏休みの最後に、館庭で水鉄砲や水風船を使って思いっきり水遊びをしました。紅白チームに分かれた18名の小学生に、中高生ボランティアのジュニアリーダー6名もサポート役として参戦し、笑顔と興奮に満ちた水バトル大会となりました。
イベントの幕開けは「水風船キャッチボール」。見た目はシンプルですが、水風船を割らずにキャッチするのはなかなか難しいものでした。失敗しても笑いが起こり、何度もチャレンジしながら楽しむ姿が印象的でした。
続いては「水風船玉入れ」。カゴに入っても水風船が割れてしまうと得点にならないというのが、通常の玉入れとは違うところです。カゴをめがけて優しく下手投げするのがコツですが、勢い余って割れてしまうことも多く、歓声と笑いが絶えませんでした。
次は「水鉄砲的あて」。各チームが紙で作られた的を狙い、水鉄砲で打ち抜くというゲームです。ここではジュニアリーダーがディフェンダーとして的の前に立ちはだかり、対戦は一気に白熱しました。
そしてイベントのクライマックスは「水鉄砲バトルロワイヤル」。参加者は額に金魚すくいで使うポイを装着し、それを水鉄砲で撃ち抜かれたら敗退というルール。子どもたちとジュニアリーダーが入り乱れての大乱戦が繰り広げられました。ポイを守りながら逃げ回る子、果敢に攻める子、仲間と連携して戦う子など、それぞれのスタイルでバトルに挑み、最後まで勝敗が分からない展開になりました。
ジュニアリーダーたちは、ルール説明や水分補給のタイミングなどを興奮した子どもたちにもきちんと伝わるように、ジェスチャーを交えたり、声のトーンを工夫したりと、それぞれが自分なりの配慮の仕方で対応してくれました。ジュニアリーダーが子どもたちの安全を見守りながらも、一緒に水を浴び、笑い合い、励まし合いながらイベントを盛り上げてくれたことで、年齢を超えた交流が生まれ、笑顔の輪が広がっていきました。水しぶきを浴びながら、太陽の下で笑い合い、走り回り、みんなびしょ濡れになって遊び尽くした一日となりました。
第5回 身近な草花でアートしよう!
令和7年8月19日(火曜日)
時間:10時~11時30分
場所:蒲町児童館 遊戯室
共催:蒲町児童館
講師:むかい*いきもの研究所 代表 向井 康夫 氏
今回の講座は、蒲町児童館を会場に小学生23名が参加しました。テーマは「身近な自然とのふれあい」。植物の観察と押し花アートを通して、子どもたちが自然の美しさや不思議さに触れることを目的とした内容です。開催当日は、暑さ指数が「厳重警戒」レベルに達するほどの猛暑。安全を最優先に考え、屋外での観察は避けた内容に一部変更となりましたが、講師の「むかっちはかせ」こと向井先生は屋内でも自然を感じられるような工夫を凝らしてくれました。向井先生は事前に蒲町児童館周辺に自生する植物を採取し、それらを写真付きの資料としてまとめておいてくれました。資料には、葉の形、花の色、茎の質感など細かな特徴が記されており、また、特徴から逆引きして植物を調べられるようにもなっているので、講座が終わってからも植物図鑑として活用できそうです。
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この時期に児童館周りに自生していた草花(樹木を除く)はコニシキソウやヒメジョオンなど、なんと35種類!その中のいくつかを、「しろいおはな」「ぎざぎざしたはっぱ」「ちいさいはっぱがたくさんついている」など、植物の特徴から逆引きして名前を探していきました。普段何気なく通り過ぎていた草花に、じっくりと目を向け、「こんな暑い日でも、植物はがんばって生きてるんだね」とつぶやいた子もいて、自然のたくましさに感動する様子が印象的でした。 |
観察のあとは、向井先生が事前に作ってくれた押し花を使って、缶バッチ作りに挑戦。押し花は、児童館周辺で採取した植物を丁寧に乾燥・保存したもので、色や形が美しく保たれていました。子どもたちはピンセットを使い、繊細な花びらや葉をそっとつまみながら、スズメやヤマガラなどの身近な生き物が描かれた台紙の上に自由に配置していきました。ありふれた草花でも「かたばみの葉はハートみたい」「つぶつぶの実を模様にしてみよう」など、発想は無限大。完成した缶バッチは、どれも個性豊かで、作品を手にした瞬間の誇らしげな表情が、何よりの成果でした。

講座の最後には、これから訪れる秋に向けて、虫の鳴き声を聞き比べる体験が行われました。コオロギやマツムシなど、秋の夜長を彩る虫たちの声を、イラストとともに紹介。音声を聞きながら、「この声、聞いたことある!」「家の近くでも鳴いてるかも」と、子どもたちは興味津々。虫の鳴き声を通して、「自然って、音でも楽しめるんだね」と新たな発見につながったようです。
アンケートでは「草花の種類がわかったので、家の周りを探そうと思いました」「外に出て自分がとった草花でアートしてみたいです」という感想が寄せられました。身近な自然に目を向け、愛着を持ち、自分の暮らす場所を新しい視点で見つめ直すきっかけとなりました。
第4回 リメイクキャンドルをつくろう!
日時:令和7年7月30日(水曜日)10時~11時30分
場所:七郷市民センター第1・2研修室
共催:七郷児童館
講師:(公財)みやぎ・環境とくらし・ネットワーク 吉田 美緒 氏
冠婚葬祭などで余ったろうそくを材料に、新しいキャンドルにリメイクする講座を行い、28名の小学生が参加しました。講座では、講師の先生が事前に用意してくださった、さまざまな色や形のろうそく素材がずらりと並び、子どもたちは目を輝かせながら、自分の好きな素材を自由に選んでいきました。赤や青、緑など鮮やかな色合いのろうそくや、ハート型・星型さらには恐竜や雪だるまの型などユニークな形のパーツもあり、選ぶ楽しさからすでに創作意欲が刺激されている様子でした。
作業が始まると、子どもたちは真剣な表情で手を動かし、ろうそくの欠片を空き瓶に並べて詰めていったり、色の組み合わせを工夫したりと、それぞれの個性が光る三者三様のキャンドルが次々と完成していきました。完成したキャンドルは、どれも世界に一つだけのオリジナル作品。自分の手で「捨てるはずだったもの」を新たな形に生まれ変わらせることで、リユース・リデュース・リサイクルの「3R」の大切さを、実体験として学ぶことができました。
さらに、講座の中では地球温暖化や海洋プラスチック問題など、現在私たちが直面している環境課題についての講話も行われました。講師の先生がわかりやすく説明してくださったことで、参加した子どもたちは「環境問題は遠い世界の話ではなく、自分たちの暮らしとつながっているんだ」と実感し、「自分にもできることがある」と気づくきっかけとなったようです。「SDGsを実践できる活動をしてみたい」という声も上がりました。

講座の終盤には、完成したキャンドルを手にした子どもたちが、友だち同士で見せ合いながら笑顔を交わす姿が見られました。友だちと一緒に学び、作業することで、楽しい思い出として心に残る一日となりました。 |
第3回 七郷かるためぐり かるたとり大会
日時:令和7年7月26日(土曜日)10時~12時
場所:七郷市民センター 和室2・3
共催:七郷児童館、蒲町児童館、荒井児童館
講師:七郷語り継ぎボランティア「未来へ―郷浜」
協力:七郷強力リーダーズ
七郷地域の歴史や名所、風景、そしてそこに暮らす人々の営みをテーマにした「七郷かるた」のかるた取り大会を、地域の3つの児童館と共催して行いました。今回の大会には、地元の小学生と保護者39人が参加し、世代を超えて地域の魅力を共有する心温まるひとときとなりました。
大会に先立ち、各児童館ではかるたの題材となったスポットの中から数か所を選び、子どもたちと保護者が一緒に地域巡りを行いました。古くから親しまれてきた神社や、地元の歴史にまつわる記念碑、四季折々の風景が楽しめる農業園芸センターなどを訪れ、実際にその場に立つことで、かるたに込められた背景や物語を肌で感じることができました。地域巡りの様子は大会当日に報告され、地域への理解と親しみがさらに深まりました。
かるた大会では、読み札を担当したのは小学生ボランティアの「七郷強力リーダーズ」たち。この日のために何度も練習を重ね、発音や抑揚に気を配りながら、堂々と札を読み上げる姿はとても頼もしく、会場からは温かい拍手が送られました。参加者の中には、「この札は絶対に取りたい!」と、なじみのあるスポットが描かれた札に狙いを定め、真剣な表情で対戦に臨む子どもたちの姿も見られました。
対戦の合間には、地域の風土や歴史に詳しい「七郷語り継ぎボランティア 未来へ―郷浜」の皆さんによる名所の解説が行われました。地元に長く住む方々ならではのエピソードや、かるたの写真を交えた説明に、子どもたちも保護者も興味津々。解説があった札はポイントが2倍になるという特別ルールも設けられ、知識を得ることが勝利につながるという工夫が、ゲームをさらに盛り上げました。
大会を通じて、参加者は地域の魅力を再発見し、地元への愛着を深めることができました。かるたという遊びを通じて、世代を超えた交流が生まれ、笑顔と歓声があふれる一日となりました。
第2回 地下鉄の車両基地を見学しよう!
令和7年7月24日(木曜日)
時間:10時~11時30分
場所:仙台市地下鉄東西線荒井車両基地
協力:仙台市交通局 荒井管理事務所
毎年大変人気の「地下鉄東西線車両基地見学講座」は今年も多くの親子連れにご参加いただき、78名の参加者が貴重な体験をされました。普段は立ち入ることのできない地下鉄の裏側を、専門の職員の方々の丁寧な解説とともに見学できるこのツアーは、鉄道ファンではなくても、日常的に地下鉄を利用する参加者の皆さんにとって非常に有意義な機会となりました。
まず、基地の屋上では、広大な車両基地の全体像を一望することができ、参加者はそのスケールの大きさに驚きの声を上げていました。職員の方からは、終点の荒井駅から地下トンネルを通って車両が基地へと移動するルートについて説明があり、地上では見えない地下鉄の動きに、子どもたちも興味津々の様子でした。
検修場では、地下鉄が安全・正確・快適に運行されるために行われている様々な検査の様子を間近で見ることができました。見学中には実際にサイレンが鳴り、車両が入庫する場面にも遭遇。臨場感たっぷりのシーンに、参加者からは歓声が上がりました。職員の方々が真剣な表情で作業に取り組む姿からは、日々の安全運行を支えるプロフェッショナリズムが感じられました。
洗車場では、車体が人の手で丁寧に洗われている様子を見学。自動化が進んでいると思われがちな現場で、実際には人の手間がかかっていることを知り、参加者は驚きとともに感謝の気持ちを抱いていました。「次に地下鉄に乗るときは、もっと大切に使いたい」と話す子どもの姿も印象的でした。

トロリー庫では、線路の検査や保守作業に使用される特殊車両を見学。黄色い車体が特徴的なこれらの車両は、主に終電後の深夜に活躍しており、それぞれに搭載された検査機器の役割について詳しく解説がありました。普段目にすることのない車両に、参加者は目を輝かせていました。
研鑽室では、運転席のレプリカに搭乗することができ、運転士の目線の高さや視界の広さを体感。さらに、車両正面の非常扉からの降車体験も行われ、緊急時の対応について学ぶことができました。また、ホームドアの模型を使った体験では、センサーが反応する様子や、挟まれた場合の安全機能について実演があり、飛び込み乗車の危険性や転落防止の仕組みについて理解を深めることができました。
見学を終えた参加者からは、「地下鉄の裏側を知ることで、日々の乗車がもっとありがたく感じられるようになった」「職員の方々の努力に感謝したい」といった声が多数寄せられました。また、子どもたちからは「将来、地下鉄で働くにはどうすればいいですか?」という質問も上がりました。子どもたちにとっても、乗り物への興味を深めるだけでなく、安全・公共の仕組みや職業観について学ぶ貴重な機会となったようです。
第1回 親子で旬菜クッキング
令和7年6月28日(土曜日)
時間:10時~13時
場所:七郷市民センター 調理実習室
講師:「宮城野親子で料理プロジェクト」伊丹 慶一 氏 および アシスタント2名
今年度最初の「七郷こどもクラブ」は、梅雨の晴れ間に調理実習講座を開催しました。身近な食材や家庭に常備されがちな鯖や焼き鳥の缶詰を使った「防災カレー」、新じゃがいも・新キャベツ・ズッキーニなどの季節感たっぷりの野菜をふんだんに使った「季節野菜のポトフ」、そして甘みのある新玉ねぎでつくった「ドレッシングサラダ」の3品を調理しました。材料の一部は講師の伊丹先生が経営している畑で収穫してくださった、採りたての新鮮野菜を使用しました。参加者は小学生とその保護者合わせて31名で、親子が一緒に調理を楽しみながら、栄養や食材の使い方について学ぶ貴重な機会となりました。この講座は申し込み開始即日で参加枠が埋まり、地域のご家庭の食育や防災学習への高い関心がうかがえました。
調理実習では、家庭で余りがちな缶詰や調味料の活用術が紹介され、普段は注目されにくい食材を美味しく変身させる工夫に多くの参加者が感心していました。また、災害時にも役立つ「ポリ袋調理」に挑戦し、炊飯器がなくても袋を使ってご飯が炊けることや、切った材料を袋に全部詰めて煮込み料理ができることに驚きの声があがっていました。洗い物を減らすことで節水もでき、停電時にも助かる調理方法を学ぶことで、防災に対する意識も自然と高まりました。
調理の過程では、旬の野菜を切ったり、味付けを工夫したりと、子どもたちが積極的に参加し、保護者と協力して一品ずつ仕上げていく様子は、まさに家庭科の実践の場そのものでした。出来上がった料理を囲んでの試食タイムでは、「こんなに美味しいとは思わなかった」といった感想が飛び交い、親子で笑顔を共有しながら達成感を味わうことができました。
今回の講座は、食の楽しさとともに、備えることの大切さ、そして親子の絆を深める貴重な機会となりました。