第十九回 ナツハセ
2024年8月25日
高森周辺、そして泉パークタウンは、かつて七北田村の中心部から北西に広がる七北田丘陵と呼ばれる小高い丘が広がっていた地域で、高森辺りには立田山と呼ばれていた小さな山があって、その中に高森と呼ばれていた地域があり「高森」の名がついたとのこと。
その状況が示すように団地造成後も、立田山とその周辺の自然豊かな堤と里山が、堤と公園として幾箇所も残されました。その中から、高森市民センターの南と北に位置する「修景公園」と「高森東公園」の豊かな自然の様子をご紹介します。
高森東公園・修景公園の四季 第十九回 ナツハゼ
夏に紅葉する葉、果実は酸味の強い甘さを楽しめる「日本のブルーベリー」
英名:Oldham blueberry
本州から九州の山地に自生するツツジ科の高さ1~3mになる落葉低木です。花崗岩の土地を好み、日本国内でも全国各地に幅広く自生しています。幹は単一または株立ちになり、枝は横に広がります。樹皮は灰褐色で、縦に裂け、縦長の薄片になって剥がれてきます。若い枝は赤褐色で稜があります。
まだ夏の暑い盛りに葉が紅葉する姿を見せてくれるのが特徴で、新芽は紅く染まり、夏の時季からハゼノキのように美しく紅葉するためナツハゼと命名されたとのことです。さらに、秋につける果実は人の免疫力を高める効果があり、食べれば酸味の強い甘さも楽しむことができます。そんなことに加えて、大きく育たないことも手伝って近年観賞用の樹木として人気とのことです。
ナツハゼの葉は、枝から互生して出し、長さ3-8cm、幅2-4cmの卵状長楕円形~卵状楕円形で先はとがり、基部は円形~広いくさび形。縁は細鋸歯状の腺毛があり、両面に硬い毛と腺毛があって、触ると著しくざらつく感触は、ナツハゼ独特で他の樹木との見分けに役立ちます。
ナツハゼの花は、雌雄同株で、春の終わりの5~6月上旬に枝先から総状花序を水平に出し、つりがね型の小さく可憐な花を連なって下向きに咲かせます。写真のように、じっくりと観れば可愛らしいが、花の直径は4~5ミリほどであり、通りすがりでは気づかずにもすごされてしまいます。花冠は淡緑色から鮮赤色まで変異があり、日当たりの良い場所のもので赤色が強い傾向があとのことです。花冠の先端は浅く切れ込み、先端は反曲しています。花軸・花柄・萼には毛とともに腺毛があり、花柄の付け根には、小さな苞葉があるが、小さくて目立たちません。
小さな花一輪に、雄しべは10個、雌しべは1個で、両者ほぼ同長で、花冠より短く観えます。萼(がく)は杯形で上部は5裂しています。サクラの花が咲いた後の萼の様子に似ています。萼片は長さ約1mmの三角形で、先端は鋭く尖します。苞は長さ4〜7mmの披針形または狭卵形、先は鋭く尖り、果期にも残ります。花柄は長さ1〜3mm。萼や花柄、花序の軸には褐色の毛が多くつきます。
日本のブルーベリーといわれ、食べれば酸味の強い甘さも楽しむことができます。種子が多いので舌にざらつきますが、美味しいですよ。何かと話題のポリフェノールを豊富に含んでいるとのこと。なんでもナツハゼに含まれるポリフェノールの量は、なんとブルーベリーの2~3倍の量に匹敵しているとありました。里山の恵みとして、生食だけでなく、ジャムなどの加工品用にしてはいかがでしょうか。
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