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更新日:2025年3月25日

泉区 センタートップ

高森市民センター

〒981-3203 仙台市泉区高森6-1-2
電話番号: 022-378-9950 
休館日:月曜日、祝日の翌日、年末年始

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高森東公園・修景公園の四季 第四十九回ハナミズキ

高森周辺、そして泉パークタウンは、かつて七北田村の中心部から北西に広がる七北田丘陵と呼ばれる小高い丘が広がっていた地域で、高森辺りには立田山と呼ばれていた小さな山があって、その中に高森と呼ばれていた地域があり「高森」の名がついたとのこと。

その状況が示すように団地造成後も、立田山とその周辺の自然豊かな堤と里山が、堤と公園として幾箇所も残されました。その中から、高森市民センターの南と北に位置する「修景公園」と「高森東公園」の豊かな自然の様子をご紹介します。

高森東公園・修景公園の四季 第四十九回 ハナミズキ

東京 シティ と ワシントン シティ の友好のシンボル

英名:Flowering dogwood、dogwood

ハナミズキは、ミズキ科の落葉小高木です。樹皮は灰黒色で細かなごつごつとした印象で、縦に溝が入るといった印象です。その点で他の樹木と見分けができます。ハナミズキの花が3月後半から咲き始めています。白い花びら?(後に解説)が、その花びらの先で色づく独特の様で私たち観るものを楽しませてくれます。この樹木は、もともと日本にはなく、アメリカ ワシントンシティと東京市との日米親善友好のシンボルとして、東京からはソメイヨシノが送られ、その返礼として1915年ワシントンシティからハナミズキが贈られてきました。その後挿し木で増やされて日本全国に広がっているんです。DNAが同じなので、咲く時期もほぼ同じで、互いの国で同じころに花を愛でる友好の証なのです。

1915年に贈られた時の原木は、今も国内に残っているそうです。①東京都立園芸高等学校 白花2本、②農水省果樹試験場・興津支場白花1本、③東京大学理学部付属植物園(小石川植物園)白花1本の、合計3カ所です。アメリカでは、花びら?の観賞期間も長く、メンテナンスの手間もかからないといった特徴を生かして、街路樹として公園樹として用いられているのに倣い、日本でも広く用いられるようになりました。高森東公園・修景公園でもサクラの時期に、…サクラの影に隠れて…花を咲かせていました。今年もきれいに咲いてくれることでしょう。

黄緑色に近い明るい緑色の葉は、枝より対生し、より枝先に集まって葉を付けます。葉身は、長さ8~15cm、幅4~6cmの卵状楕円形または卵円形で、葉柄は0.5~1.5cmとなります。葉の縁は全縁ですが、緩やかに波打ちしていて、先端は短く尖り、基部は円形です。葉の全面に毛が散生し、葉脈上に伏毛が密生します。

秋になると葉は、紅色からえんじ色や鉄錆色に染まって美しい姿を見せてくれます。葉の外側から紅葉が進むので葉脈に沿って緑色が残ります。その時期の葉や樹全体は、独特の雰囲気を醸し出します。

冒頭で「白い花びら?」と書きました。ハナミズキの4枚の花びらのように観えるのは、総苞片といって花を支える役目を持つ葉となります。ハナミズキの花びらに見える総苞片は、白を基調にして総苞片の先が紅色に色づく白花と、総苞片全体が淡い紅色で、次項で触れる黄色い花の根元が白く先に行くほど色づく紅花があります。紅花の色の濃さ鮮やかさも様々なようです。総苞片の長さ4~6cmで先端は凹むといった様で、色味と合わせて注目すると綺麗な花と総苞片となります。総苞片のもう一つの役目は、次の項で…お楽しみに。

花は4~5月。葉の展開に先立つか同時くらいに開花します。花は頭状花。書いてきましたように花弁のように見える白または紅に染まるのは総苞片で、その総苞の中心に咲いているのが花で、明るい黄緑色の小さい花を20個前後多数集まって丸くつけて咲かせています。写真左上はつぼみが開いた時の様子です。総苞片がこれから広がって、ここに咲いているよと言っているようです。

同じような花の様子で咲くヤマボウシは、丸く咲いている小花を、中心から直に咲いているのに対して、ハナミズキは、個々の小花が独立して間隔も取りつつ咲いています。後の果実の様子でも確認できます。

花は、花弁が4枚で、雄しべがその花弁より突き出る形で4本あり、花弁の中心に1つの花柱とその先に雌しべがあります。花柱も花弁から出て受粉を待っています。この写真でも雄しべの花粉が咲いたばかりだろう薄い黄色の雄しべと、時間がたって花粉を出した後で褐色になっているのを確認できます。その小さな花としてはもう終わりを迎えているのですが、見せている花(総苞片を含む)は、長い期間咲かせて?います。総苞片の凹んだ先端から褐色に時間と共に染まってしまいますが、1週間ほどその形をとどめて虫たちに受粉を促しています。白い或いは紅色に染まった総苞片とその中心の黄色が、ハチを始め昆虫たちには目立つ広告塔となっているのです。これがハナミズキの総苞片の二つ目の役割です。

果実は液果状の核果で、花の時期の小花が集まったそのままに、一つの小花が一つの果実に実を結び、複合果を作っています。例えればコンペイトウのような様子になります。一つの果実に一つの核果ができて、長さ約1.2cm、直径約0.7cmの楕円体で、9~10月に光沢のある暗紅色に熟します。液果状の果実は、人が食べても苦いだけですが、晩秋から冬にかけて、貴重な食料になります。その赤い実を食するのは、野鳥たちです。

ハナミズキの次世代へ命を繋ぐといった仕組みは、野鳥に果実をそのまま丸呑みしてもらい、果肉は食べていただいてOK!、でも糞と共に消化しきれない核果を落としてもらって、そこから芽吹いて子孫を広げてもらうとなります。ハナミズキに限らず、赤や黄色の実をつける果実は野鳥たちの力を利用して次世代に命を繋いでいます。

これから一つ込みいったお話にお付き合いください。別名に関しての誤解がないように記しておきます。この項だけ、総苞片が花びらに見える花ですが「花」と書きます。

今回ご紹介しましたハナミズキ、その別名がアメリカヤマボウシです。日本にもともとあった同じように大きな白い花を開く日本古来のヤマボウシと区別して、親しみを込めて覚えるためにつけられ呼ばれています。

そのハナミズキが知れ渡り、挿し木などで増やされて、公園樹や街路樹に用いられるようになると、日本にもアメリカハナミズキのように花をつける樹があったではないか。日本古来のヤマボウシがある。このヤマボウシだってハナミズキと同じように、公園樹や街路樹として利用しても良いのではないかと考えられるようになり、ヤマボウシも公園樹や街路樹として用いられるようになりました。そこからアメリカハナミズキと呼ばれるようになりました。

ハナミズキ・・・(別名)アメリカヤマボウシ

ヤマボウシ・・・(別名)アメリカハナミズキ

ところが、それで終わらなかったのです。ハナミズキを、「アメリカハナミズキ」と呼ぶ人が増え始めたのです。そもそもハナミズキは、北アメリカ東部、メキシコ北東部が原産地であるため、ハナミズキはアメリカの樹木です。アメリカをつける必要は無いのです。そして今書いたように、別名としてアメリカヤマボウシという呼び方があるにもかかわらずにです。

ハナミズキとアメリカヤマボウシ・アメリカから来たハナミズキがごっちゃになり、ハナミズキを「アメリカハナミズキ」と呼ぶ方が多くなってしまったのです。つまり、本当は”アメリカハナミズキ”という呼び方は間違いなのです。

・・・ですが、アメリカハナミズキと呼ぶ人が多くなってしまったので、ハナミズキの別名がアメリカハナミズキと紹介された書籍まで出てしまう始末に・・・。

歴史的にそんな経緯があることも頭の片隅に入れておいてください。

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高森東公園・修景公園の四季 作成にあたって

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