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更新日:2025年3月25日
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高森東公園・修景公園の四季 第四十四回ホシハジロ
高森周辺、そして泉パークタウンは、かつて七北田村の中心部から北西に広がる七北田丘陵と呼ばれる小高い丘が広がっていた地域で、高森辺りには立田山と呼ばれていた小さな山があって、その中に高森と呼ばれていた地域があり「高森」の名がついたとのこと。
その状況が示すように団地造成後も、立田山とその周辺の自然豊かな堤と里山が、堤と公園として幾箇所も残されました。その中から、高森市民センターの南と北に位置する「修景公園」と「高森東公園」の豊かな自然の様子をご紹介します。
高森東公園・修景公園の四季 第四十六回 ホシハジロ
「こわもて」印象のカモ チョコ色の頭に黒褐色の胸と灰白い羽
英名:Common Pochard
ホシハジロは、遠目に観るとチョコ色の頭に黒褐色の胸と灰白い羽が印象的で、お尻の方からだと、灰白い背中とチョコ色の頭が目立ちます。正面から観るとチョコ色の頭に黒滑色の胸が眼に入ります。第一印象は「コワモテ」。潜水採餌カモなことから、食事時など陽の光の角度も手伝ってか、個体によって頭部が黒光りしているものもいて、結構「コワモテ」な印象の顔に見えることがあります。似た配色をしたカモにヒドリガモがいますが、ホシハジロの方が、コントラストがよりハッキリしています。
ホシハジロの繁殖地は北緯30-60°で,西はスペイン・イギリスから東は中国東北部までとのことです。日本への飛来は中国東北部周辺からと思われ、冬季に九州以北に越冬のため飛来する冬鳥です。国内では、北海道東部でも繁殖記録があるとのことです。日本の越冬地は,沿岸域,平野部,山間部の湖、沼、河川、河口、内湾などに飛来します。
ホシロハジロの身体のサイズは、全長が、オス48cm(オス)、43cm(メス)で羽を広げた翼開長は翼開張72-82cm、翼長は198~214cm(オス)、195~208mm(メス)です。ホシハジロは身近な場所に生息するカモで、上述した特徴もあって、かつ群れでいることも多く見つけやすいかと思います。公園の池・川など身近な場所でも見られます。ホシハジロは群れでいることが多い、かつ目立つ姿をしているので、比較的見つけやすい冬鳥だと思います。
オスは、チョコ色の頭に、胸の黒褐色、肩羽から腹や脇は白色に微細な灰色の波形の横縞が密在し下腹ほど色が濃く、脇の横縞は腹より著しく規則正しいといった印象です。眼の虹彩は濃黄色またはオレンジ黄色なので、近づくとその色も目に留まり見分けにも役立ちます。
メスは、頭部から胸が茶褐色で、頭上の中央ほど暗色に染まります。首前部に白っぽいクリーム色の斑が入り、胸も茶褐色になります。肩羽から背中にかけてはオス以上に暗灰白の横縞の斑が不明瞭に入ります。眼の虹彩は白色で、眼の後方へ白いアイシャドーが入ります。
ホシハジロの名前の由来は、肩羽から腹や脇は白色に微細な灰色の波形の横縞が密在している様子が、「星」を散りばめたような細かな模様との印象と、白い羽からの「羽白」と合わせて付いたとのことです。和名は「星羽白」と書きます。
昔の日本人の発想の豊かさも垣間見られます。なぜなら、チョコ色の頭の方が目立つのにと思いますが、次の回で紹介するキンクロハジロとも一緒にいることが多いことから、同じ羽の違いに注目して観ていたのかと思われます。
ホシハジロはあまり鳴くことがないそうです。まれに小さな声で、「クルッ」「クルッル」「グルルル」などと鳴きます。私は聞いたことがありませんが、「エェホーン」または「アーッホーン」とオスが聞こえるように、特徴的な声で鳴くことがあると言われています。周りに自分の存在を知らせるためではと言われています。
上の写真のように弧を描くように跳ねあがって潜水し餌を採ります。水面下1~2.5m位の深さと、浅いところを好んで潜り採餌します。潜水期間の最長は25~30秒くらい水中に潜って採食しは浮きあがってきます。主としてアマモ、エビモ、シャジクモなどの水草の葉、芽、地下茎などを食し、イネ科やタデ科などの種子も食べます。ほかにも、ゲンゴロウなどの水生昆虫、小魚などを食します。ごく浅いところでは体を逆立ちさせて餌を摂ることもあります。食事時間ですが、主として朝夕に漁ります。昼間は、水上で泳いでいるよりも体を沈めて睡っていることが多いです。
最後の写真で、マガモとの大きさの比較もしてもらえます。この日はマガモ、ホシハジロ、キンクロハジロがゆったりと泳いでいました。(修景公園)