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更新日:2025年3月25日
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高森東公園・修景公園の四季 第三十七回 コゲラ
高森周辺、そして泉パークタウンは、かつて七北田村の中心部から北西に広がる七北田丘陵と呼ばれる小高い丘が広がっていた地域で、高森辺りには立田山と呼ばれていた小さな山があって、その中に高森と呼ばれていた地域があり「高森」の名がついたとのこと。
その状況が示すように団地造成後も、立田山とその周辺の自然豊かな堤と里山が、堤と公園として幾箇所も残されました。その中から、高森市民センターの南と北に位置する「修景公園」と「高森東公園」の豊かな自然の様子をご紹介します。
高森東公園・修景公園の四季 第三十七回 コゲラ
身近な公園でも見られる国内最小のキツツキ
英名:Japanese Pygmy Woodpecker
コゲラは、日本では北海道から沖縄までの、一部離島を除く全国の亜寒(亜高山)帯針葉樹林から亜熱帯照葉樹林まで広く分布・繁殖しています。日本では基本的には渡りしない留鳥ですが、寒冷地に生息する個体は、冬季には暖地へ移動するものもいるといいます。宮城では暖かいのでしょう。しっかり留鳥として、ドラミングで公園内に響かせて存在感を表しています。このコゲラ、地方ごとに色彩に変化があり、多くの亜種に分けられているとのことです。
名前の由来は、もともとキツツキの名前の由来が、キツツキの古名「けらつつき」からキツツキと変化しており、コゲラは小さなキツツキから「こけらつつき」、日本人特有の短く表すゆえに「こけら」から濁音が入りコゲラと呼ばれる様になったというのが主流です。
全長15cmで、スズメと同じくらいの大きさ。翼開長は約27cm。体重18~26g。日本に生息するキツツキとしては最も小さい。オスよりメスがやや大きいです。体の特徴として、背は、灰褐色と白の横向きのまだら模様の羽色をしていること。胸や脇は縦向きの模様となっています。額から体上面は茶褐色で体下面は白色です。雄雌の区別は、雄の耳羽の上あたりに赤色羽がありますが、風になびくなどしないと見えないくらい小さい羽です。野外ではほとんど見えないため、羽色で雌雄を区別することは困難といっていいでしょう。撮りためた写真の中で偶々とらえていました。この日は3m程の風の日でラッキーでした。
多くの鳥は春から初夏に繁殖期を迎えます。コゲラも繁殖期は5月~7月となっています。オスとメスとで協力して巣を作っていきます。巣は広葉樹の枯れ枝などの、菌が入って柔らかくなったところに作っていくのです。径3cmほどの穴を開けて、深さは15cmほどのおおきさです。同じつがいでも毎年新しく巣穴をほるとのこと。コゲラは一度に4個~6個の卵を産むとのことです。多くの鳥たちはメスのみが卵を温めるのですが、コゲラはオスとメスとで協力して卵を温めているのです。約2週間で卵は孵化。その後の子育てもオスとメスで協力して行い、約20日程度で巣立っていくといいます。体が小さい割には、20ヘクタールほどの広いなわばりを作り、一度繁殖を始めると同じ場所に生息し続ける。つがいの絆も固く、片方の鳥が死ぬまで続くことが多いとありました。
ありがちですが、このように自然を観察していると、「人も見習わなくては・・・」と思うことが多々あります。コゲラの夫婦愛もその一つですね。
高森東公園でキツツキを撮影できたきっかけは、鳴き声…ではなく、木をつついた時の「コンコンコン…」と小気味よく気をくちばしでつついている音の出所に目をやって、とらえることが出来ました。
木の幹に巣食う虫を追い出し捕らえるための「コンコンコン…」と、突いて…穴を開けません。調べてみますと、穴をあけるのは初夏の巣作りの時だけとのこと。寒くなって木の幹、皮の陰に潜む昆虫を追い出して捕獲しているんです。
コゲラは、雑食性で、「昆虫」や「蜘蛛」などの小動物を食べますが、「果実」や「種子」も食べるという。「コンコンコン…」と繰り返し叩く音だけでなく、耳を木に押し当てて、幹の中に潜む昆虫が慌てて出す音を、つつくのを止めて首をかしげて聴くような姿を見せることでも知られているそうです。「コンコンコン…」と「コンコンコン…」の間、突つく音が止んだ時に双眼鏡でとらえられたら、耳を傾けるようなしぐさを確認できるかもしれません。
キツツキ類の鳥が木の幹をくちばしで繰り返し叩いて連続音を出す行動のことをドラミングといいます。たまたまとらえていたのが上の写真です。あとから検証すると頭のほうがぼけているようにも…ドラミングの最中だったようです。コゲラは、体もちいさく、唇も小さいので、「コンコンコン…」と音は小さめ。木をつつくことで縄張り宣言や求愛をしていると考えられているとのこと。今回の捉えは1羽だけで、周りに仲間がいなかったことから、餌をとなる昆虫類を探していたものと思われます。
高森東公園・修景公園でコゲラを探して観察してみませんか?握力の有る両足と尾との三点確保で、垂直な木の幹を上り下りしているのです。足には前指2本と後指2本があり垂直している幹を、小刻みに跳ねるように移動しています。下りも、頭を上にしたままの姿勢で、はねながら少しずつ落ちるように下がっていました。「コンコンコン」としながら…秋でも早い時期は、葉が茂っていると見つけにくいですが、コゲラはスズメほど人を警戒しませんよ。こちらが先に気づいて脅かさないよう足を止めて観察すれば、きっと近くでも観察できるはず。ぜひトライしてみて。