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更新日:2025年3月25日
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高森東公園・修景公園の四季 第十四回 オカトラノオ
高森周辺、そして泉パークタウンは、かつて七北田村の中心部から北西に広がる七北田丘陵と呼ばれる小高い丘が広がっていた地域で、高森辺りには立田山と呼ばれていた小さな山があって、その中に高森と呼ばれていた地域があり「高森」の名がついたとのこと。
その状況が示すように団地造成後も、立田山とその周辺の自然豊かな堤と里山が、堤と公園として幾箇所も残されました。その中から、高森市民センターの南と北に位置する「修景公園」と「高森東公園」の豊かな自然の様子をご紹介します。
高森東公園・修景公園の四季 第十四回 オカトラノオ
花穂の先端が虎の尾のように一度枝垂れた穂先の先端がすこし上を向く「凛とした様」に
英名:Gooseneck loosestrife
オカトラノオは平地から低い山地の日当たりのよい草地や道端に見られる多年草。高さ0.6〜1m程です。花序の傾きが、ただたれるだけでなく、先がピ~ンと斜め上のほうにはじいています。下の写真はその典型です。その様が、トラの尾っぽの様に似ていることからついているとのこと。トラの尾の写真は皆さんでご覧ください。今咲いていますよ。6後半から〜7月にかけてその白い小さな花を多数つけます。冬は地上部が枯れるが、地下に細長い地下茎が多数あり、これを伸ばして殖える。そのため群生している様を見せてくれます。
同じように花を咲かせ名前の付いたヌマトラノオはしっぽの傾きはありません。直立しています。さらに、オカトラノオとヌマトラノオの交雑種で、両種の中間の性質、例えば花序は、全体にたれないが先がちょっとたれるだけのイヌヌマトラノオがあります。これらは湿地に育つことから、見分けられると思います。
同じような様で花を咲かせるのにヌマトラノオがありますが、しっぽの傾きはありません。直立しています。さらに、オカトラノオとヌマトラノオの交雑種で、両種の中間の性質、例えば花序は、全体にたれないが先がちょっとたれるだけのイヌヌマトラノオがあります。様子がオカトラノオともヌマトラノオとも断定しがたいとのことです。雑種なので、振れ幅は大きいからなのか、あまり垂れないイヌヌマトラノオもあるとのことです。これら2種は湿地に育つことから、見分けられると思います。
茎は丸く直立、短毛がまばらに生え、基部は赤みを帯びています。高さ60~100cmになり、葉は互生し、6~15cm、幅2~6cmの長楕円形または狭卵形で、先が尖り、短い柄を持ちます。表面全体と裏面脈上に短毛がまばらに生えています。若葉は柄の方が赤みがかり美しい。
秋、オカトラノオは「葉紅葉(はこうよう)」と言って、黄色にさらに赤い斑がはいることも。さらに赤く色づく様子を観ることもあります。
花期は6月から7月です。白色の小さな花を茎の先に総状花序を出し、穂の下方から開花していく。花穂の先端が虎の尾のように、一度枝垂れた穂先の先端がすこし上を向く形状が「凛としていて」虎の尻尾に見える様から、名前がついたといいうのが有力です。漢字をあてると「丘虎の尾」となります。つぼみの様を見ると針のようですが、蕾の基部に線形の苞が密集していて、花穂をよく見ると、たくさんの花に隠れて苞が見え隠れしています。
花冠は直径1cm程で深く5裂する合弁花です。雌しべの花柱を中心に、雄しべが5本周りを囲みます。花序の長さは100mmから大きいもので300mmにもなります。不思議に周り全ての穂が同じ方向に垂れている様は、偶然なのかと見入ってしましました。
果実は蒴果です。熟すと果序は花の時期よりもさらに長くなり、軸は垂れている様からほとんど横向きになります。一つ一つが花であった果実は上を向いており、径2.5mmで球形の蒴果です。その中にアサガオの種のように、さく状の種子が詰まって実っています。
オカトラノオは、種子で次世代へつなぐだけでなく、地下に細長い地下茎が多数あり、これを伸ばしてふえていきます。そのため群生しているのが普通です。秋に地上部は枯れてなくなりますが、地下茎は春になるまで地上に芽吹く機会を待っていることになります。高森東公園では、畳2畳ほどの土地に群がっています。