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第四十回 マガモ

2025年1月19日

高森周辺、そして泉パークタウンは、かつて七北田村の中心部から北西に広がる七北田丘陵と呼ばれる小高い丘が広がっていた地域で、高森辺りには立田山と呼ばれていた小さな山があって、その中に高森と呼ばれていた地域があり「高森」の名がついたとのこと。

 その状況が示すように団地造成後も、立田山とその周辺の自然豊かな堤と里山が、堤と公園として幾箇所も残されました。その中から、高森市民センターの南と北に位置する「修景公園」と「高森東公園」の豊かな自然の様子をご紹介します。

高森東公園・修景公園の四季 第四十回 マガモ

カモと言えばこのカモ、雄は緑の頭に白い首輪 雌は細い過眼線と唇に黒と橙の混じり具合

英名:Mallard

 

マガモは、カルガモと並んで鴨を代表する大型のカモとなります。胴体はカラスよりやや大きく、また、カルガモと同様に飛翔時に翼の下面の白いのが目立つ美しさを兼ね備えたカモです。

日本では、北半球の冷帯から冬鳥として北海道から南西諸島まで全国的に渡来し、池沼、湖、河川、海上などに生息します。

いつも高森東公園の大堤で観ているカルガモやカイツブリとは違い、雄雌で体の色が大きく違います。今年2024年冬鳥の渡り鳥で、大堤に一番目に来て、そのまま大堤をねぐらにした水鳥といって良いでしょう。ちなみに手前の小さいのはカイツブリです。


  マガモは、ユーラシア大陸北部の森林地帯で繁殖し、冬季は、南方への渡りを行います。日本では、北海道から本州まで全国的に渡来越冬する冬の渡り鳥となります。北海道と本州中部ではごく少数であるが北へ帰らずに繁殖しています。

  2024年今年はっきりとわかる雄の数は4~5羽です。餌の心配や全面結氷の心配がないと判断すれば2月或いは3月頭までいてくれると思います。

 マガモの体長は、5065cmで、翼開長75100cm前後と胴体はカラスよりやや大きく、カモ類では、留鳥のカルガモと並んで鴨を代表する大型のカモです。雌雄で色が違います。

オスの方がメスよりやや大きいです。繁殖期のオスは黄色のくちばし、緑色の頭、白い首輪、灰白色と黒褐色の胴体とあざやかな体色をしています。オスは冬期に頭部が緑色をしています。夏の繁殖期には、頭もメス同様にほぼ全身が黒褐色の地に黄褐色のふちどりがある羽毛におおわれるとのことです。

メスはくちばしが橙に独特の黒の混じり具合と、眼を含めた細い過眼線、ほぼ全身が黒褐色の地に黄褐色のふちどりがある羽毛におおわれ、全体的に地味な色調です。これは、北に帰った後に繁殖子育てするのですが、地上にお皿のような巣を作って育てるので、上空から目立ちにくい色調になる必要があるからと考えられます。カモ類にはこのような理由でメスが地味な色調なのが多くいます。

 マガモは、人が近づくと岸から離れてしまいます。餌付けをしていても、他のカモ類の反応を確かめてから再びやってくるほど慎重です。その理由は、狩猟の登録許可制度や捕獲数が制限なく解禁されていた時代、マガモの肉はカモ類の中でも良質と知られていましたので、しばしば狩猟の対象とされて、ずっと人間から命を狙われ続けてきた歴史からか、逃げ足が速くなっていると聞きます。

  マガモは、江戸時代前期になって、様々なカモの中で、この青首のカモこそが「真(まこと)」のカモだ、 それこそ "カモの見本のようなカモ"だとなって、マガモと呼ばれるようになり、定着したという説が有力とのことです。様々なカモ類がいる中、頭から首までの頭部が青緑で首に白いラインが入るマガモが、通称「あおくび」(信号機の緑を青というのと同じ理屈です)と呼ばれていて、人々に、カモの中のカモとして認められていたようです。

 日本に来ている時期は、非繁殖期で、餌を安定的に採餌することを求めて湖沼、河川、海岸に生息し、群れを形成して生活しています。マガモは、泳ぎもうまく、進みが早いです。頭を水に突っ込んだり、逆さまになったりして餌を探しています。でも水中に潜ることは殆どありません。

食性は植物食が主の雑食で、主に穀物や水草の葉や茎、植物の種子、貝などを食べています。魚やカエルなどの両生類なども食べるものの、主食ではないとのこと。

 冬に日本で越冬して食を満足するだけではありません。マガモのオスは、時おり、「グェー グェッ グェッ」 と大きな声で鳴いています。それは、越冬中の10月末~12月に、シベリアで次の世代を産むためのお相手を射止めるという、大事なイベントがあるのです。一枚目の写真は11月の撮影です。すでにカップル成立とほほえましく観ていました。これから1月になっても一人者のままでいるマガモのオスが、番になったカップルのメスにちょっかいを出して、パートナーのオスから「グェー グェッ グェッ」と、追い立てられるといった様子を観ることもできます。

12月も暮れ押し迫ると争いが徐々に無くなって、カップルがそれぞれに連れ立っている姿を観ることもできると思います。春には雄雌が連れ立って繁殖地へ帰っていくといわれます。

そんな様子は、大堤でなく、修景公園の堤の方で観れますよ。12月上中旬はマガモの独壇場の感があるほど、飛来数が多く、カップル探しをしていました。一時は大堤にいたマガモも、修景公園の堤へ引っ越した様子があります。

温かい格好で、ぜひじっくりと観察してみてください。カップル成立して落ち着いたマガモの様子をご覧ください。あぶれた雄のマガモがちょっかい出す様子も見られるかもしれません。

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