トップページ > 市民センターを探す > 高森市民センター > センター紹介 > 高森東公園・修景公園の四季 > 高森東公園・修景公園の四季 第四十五回キンクロハジロ

ページID:10315

更新日:2025年3月25日

泉区 センタートップ

高森市民センター

〒981-3203 仙台市泉区高森6-1-2
電話番号: 022-378-9950 
休館日:月曜日、祝日の翌日、年末年始

ここから本文です。

高森東公園・修景公園の四季 第四十五回キンクロハジロ

高森周辺、そして泉パークタウンは、かつて七北田村の中心部から北西に広がる七北田丘陵と呼ばれる小高い丘が広がっていた地域で、高森辺りには立田山と呼ばれていた小さな山があって、その中に高森と呼ばれていた地域があり「高森」の名がついたとのこと。

その状況が示すように団地造成後も、立田山とその周辺の自然豊かな堤と里山が、堤と公園として幾箇所も残されました。その中から、高森市民センターの南と北に位置する「修景公園」と「高森東公園」の豊かな自然の様子をご紹介します。

高森東公園・修景公園の四季 第四十五回 キンクロハジロ

後頭部の寝ぐせ?いいえ冠羽が風でなびいた様 オスは黒白ツートンカラーでアッピール

英名:Tufted Duck

キンクロハジロは、遠目にも雄の黒白のツートンカラーが目立つ潜水ガモです。シベリアなどのユーラシア大陸北部で繁殖し、日本では冬季に九州以北に越冬のため飛来する冬鳥です。個体数は少ないですが、北海道では北へ帰らずに留鳥として少数が繁殖するとのことです。湖沼・河川・河口などの淡水区域に生息していますが、場合によっては漁港など波立たない海水域まで行くことが記録されています。

キンクロハジロのからだのサイズは、全長40-47cm。翼開張67-73cm、翼長は、雄19.8-20.8cm、雌18.9-20.2cm、体重0.3-1kgです。他のカモよりもずんぐりした体型をしていて他のカモと比べると頭も大きいといった印象です。潜水して採餌するカモです。

からだの特徴は、繁殖のオスは、武士の曲げや寝ぐせのような後頭の羽毛(冠羽)が伸びていています。それが英名である「tufted(ふさふさの)」の由来となっています。

オスは、頭部から胸、体上面が黒く、上頭部は光沢のある紫色に、そこから続く後頭部には長い冠羽があります。潜水したばかりだとピタッとくっついて観えませんが、食事がすんで陽の光を浴びてさらにそよ風も吹けば、見ることができると思います。脇と腹は白く、嘴は青灰色で先端が黒いです。その嘴にも特徴があり、白く見える灰青色のくちばしはやや短くて幅広くなっていて、体の黒白とでコントラストの様子で見分けのカギになっています。よく観ると先端は黒、付け根部分は白い色になっています。

メスは全体にこげ茶褐色で、オスと同様に冠羽がありますが短いです。体下面は色がやや淡い薄茶褐色です。唇の基部に黒い斑点がある個体もいて、スズガモと間違われるが唇基部が白いのがスズガモで区別できます。雌雄ともに目の周りの虹彩は金色または黄色く観え、翼の翼帯は白いのが翼を広げた際に観ることができます。

キンクロハジロの名前の由来ですが、和名で表すと「金黒羽白」となります。繁殖期のオスのからだの特徴からとった名前です。眼の虹彩が金色或いは黄色に見えることから「キン」、全身が黒いことから「クロ」、翼の上部分には斑紋(白いまだら模様)が入ることから、「ハジロ」を取り、それらをつないで名前がつきました。水面に浮いている姿の白く見える部分は、翼の白い分となります。

非繁殖期のオスと、メスのからだの色は、黒ではなく、黒みを帯びた茶色をしています。

キンクロハジロはあまり鳴く鳥ではありません。(人によって聞いた声をカタカナに表す際に違いがあることはお許しください)その鳴き声は「フェフェ…」「グェグェ…」「キュッキュッ」と地鳴きします。さえずりではオスは「フィー」と鳴き、メスは「クルル」と鳴きます。鳴き声はあまり大きな声では鳴かないといった印象です。 

上の写真のように潜水して餌を探しています。雑食性で、水生植物、昆虫、甲殻類、軟体動物、魚類や貝類などを食べます。潜水能力が高く、水深10mまで潜水することができるとのこと。観ていると潜っては、浮かんできて間を入れずにすぐに何度も潜っていました。朝の内だけで、9時を過ぎると潜らずに漂っていました。すると、いつの間にかいなくなっていました。散策路とは反対側の静かな所で休んでいるのでしょう。

上の写真は、朝の食事の時間を終えて、樹木が水面近くを覆っているところで休息をとっている様子です。首を反転して首を身体に寄せ嘴を隠しています。天敵の猛禽類らには嘴は見せたくないのかもしれません。

繁殖形態は卵生です。5-7月シベリアなどのユーラシア大陸北部で繁殖します。水辺の草原や浅瀬(カモメ科の集団繁殖地内に巣をつくることもある)にアシやイグサなどの枯れ草などを組み合わせた直径20-25センチメートルに達する巣をメスが作ります。生む卵の数は6-14個、メスのみが抱卵し、抱卵期間23-28日を経て孵化し、雛は45-50日かけて飛翔できるようになり独立します。生後1-2年で大人のカモに成長します。

前回ご紹介したシロハジロや今回のキンクロハジロ、12月最初には高森東公園に塒(ねぐら)をかまえて、日中も姿を観ていたのですが、何日かして、修景公園に移ってしまったようです。静かに過ごしたいのだと思いました。マガモらと一緒にいました。

関連リンク

高森東公園・修景公園の四季 アーカイブはこちらをクリック

関連リンク

高森東公園・修景公園の四季 作成にあたって

同じ分類から探す