真美沢公園の四季 第参回 ハコネウツギ
2022年6月19日
真美沢公園は、以前あった八乙女の広域の水田地帯に向けて3段のため池があった里山が連なる地域に、仙台市北部を住宅地として団地が切り開かれた中で里山とため池といったセットで残されたと思われます。最後まで残されたため池の水を利用していた水田も商業地や住宅地に変わり、里山とため池が、自然豊かな地域資産として残されています。
第参回 ハコネウツギ
花の色の変化…ひとつひとつの花の移ろう色を楽しめる
英名: Japanese Weigela
ハコネウツギは、日本原産の落葉性低木または小高木で、暑さ寒さに強く、北海道南部から九州まで多く自生しています。日当たりのよい場所を好みます。主に海岸近くに自生しているとされるものの植栽で人気なことから、広がって野生化しており内陸でもふつうに観られます。
和名で箱根空木となり、特に箱根近辺に偏って分布するため命名されたかのような印象ですが、実は箱根には自生していません。近年わずかに自生しているのが発見されたという情報があるくらいで、よく似ているニシキウツギと間違われたのではないかとのこと。真美沢公園では東黒松に向かう通り沿いの「東黒松口」公衆トイレの脇に自生あるいは植栽しています。
冒頭で記したように、最初は白い清楚なカラーで開花、時間を追うごとに白から薄いピンク、そして濃いピンクへ、最後は赤紫へと色彩を変化させていきます。一本の木、一つの枝の中でも同時に白や赤やピンクの色の花が咲いている様は華やかで、移ろう色を楽しむことができます。ゆえに植栽として人気が出ているとのこと。この記事を書いている今がその時で、掲載時には花は終わっているかもしれません。
ハコネウツギは花が咲き終わると、長さ2.7〜3cmの円柱状の緑色をしたオクラのような見た目をした様で、そのオクラ同様に上向きに果実をつけます。そして晩秋に、茶色く枯れ葉色となり、割れて種子が出てきます。種子は長さ約1.5mmの楕円形で、周りに羽があり、風で運ばれ広がります。
ハコネウツギは、和名の空木という名の通り、幹の中が空洞になっています。その幹から細い枝がたくさん伸びているのもこの木の特徴です。ちなみに、同じように空洞になるユキノシタ科ウツギ属の「ウツギ」の仲間、ヒメウツギやガクウツギ、コゴメウツギとは全く別の種となります。ハコネウツギを含め、タニウツギ、ニシキウツギなどは、スイカズラ科タニウツギ属の仲間となります。
関連リンク
関連リンク
ここまでが本文です。