ページID:1128

更新日:2025年3月25日

泉区 センタートップ

黒松市民センター

〒981-8006 仙台市泉区黒松1-33-40
電話番号: 022-234-5346 
休館日:月曜日、祝日の翌日、年末年始

ここから本文です。

真美沢公園の四季 第五十一回 ウリハダカエデ

真美沢公園は、以前あった八乙女の広域の水田地帯に向けて3段のため池があった里山が連なる地域に、仙台市北部を住宅地として団地が切り開かれた中で里山とため池といったセットで残されたと思われます。最後まで残されたため池の水を利用していた水田も商業地や住宅地に変わり、里山とため池が、自然豊かな地域資産として残されています。

第五十一回 ウリハダカエデ

菱形状の皮目が点在する様がウリの様、雄から雌に性転換する

英名:Redvein Maple

ウリハダカエデは、東北地方北部から九州まで広い範囲にわたって自生するカエデで、山間の開けた斜面や谷筋、低山の林の縁に多く育つ、高さ8〜10m、直径25〜30cmに直立する落葉高木です。若木は暗緑色に黒い縦縞が入り、菱形状の皮目が点在する様が、瓜の仲間マクワウリのような縞模様になるためウリハダカエデと名付けられています。

山地のやや湿り気のある雑木林などを好むとされる雌雄異株の落葉高木です。株が育つとオスからメスに、環境が悪化した場合もメスに性転換するといった不思議な特性をもっている日本固有種の樹木です。

葉は対生。葉身は長さ幅ともに8〜15cmの扇状五角形で浅く3つから5つに裂けています。手でいうと中指にあたる中央の裂片は広三角形で大きいことが特徴です。裂片の先は鋭くとがり、縁には重鋸歯があり。質はやや厚いです。葉と葉柄にははじめ赤褐色の毛が生えますが、後に葉の裏面脈上と脈腋以外は無毛となります。食害を防止させる働きと思われます。だからでしょうか、ある地方では初夏の若い葉は食用として採集されています。また、幼い若葉の柄には葉芽の「芽鱗」の存在感がありますので、4~5月探してみてください。秋には黄葉または紅葉して、綺麗です。

ウリハダカエデの花期は5月~6月で、淡緑色〜淡黄色の花を総状花序に10〜20個、垂れ下がる様にしてつけます。冒頭に記したように、置かれている環境に応じて、オスからメスに性転換するといった不思議な特性をもっている樹木となります。ゆえに、雌雄別株で、まれに同株と記されていました。

花は直径8〜10mm。雄花は雌花より大きいです。花弁は5個でへら形。雄花の雄しべは8個。雌花の子房には赤褐色の縮毛があり、花柱は二つに避けてくるっとカールしています。花柄は長さ2〜5mmです。

果実はカエデの仲間がそうであるように長さ2~3cmで2個ずつつき、ドラえもんのタケコプターの様なプロペラ状の翼の様になります。翼果といいます。ウリハダカエデの果実はそのプロペラが鈍角に開き、その表面には、赤褐色の縮毛が観えます。また、左右の翼果にそれぞれにぷんと膨らんだ種子が目立ちます。早ければ7月から10月までにも熟します。

翼果は、翼を持って、風を受けてとんでいきます。でも、ほとんどは左右の翼果の真ん中から裂けてそれぞれに風を受けて回転しながら遠くまで運ばれます。

ウリハダカエデの樹肌はウリのようだと紹介しましたが、中の材は白くて美しいこと、さらに固くて重いことから、紙や箸の原材料に、こけし、玩具、細工物などに利用されています。私が小学生の時には、仙台東口にかつてあったこけし工房に行って、喧嘩独楽を作りました。「勝ちたいか?」「しぶとくずっと回るぞ」と勧められたのがウリハダカエデの樹を材料にしたずっしりとした独楽でした。

また、若い時期の樹皮は薄い緑色の地に濃い緑色の縦筋が目立ち探しやすいのですが、太くなるにつれて樹肌の緑色は淡褐色に変わります。さらにその後はコルク質が発達して淡灰褐色となってウリとは全く異なった質感になります。その頃には見上げないと分からないほどに育っていると思われ、ウリカエデだとは気づかずに通り過ぎてしますことも。同定ができなくなってしまうのです。大きな木の樹皮は、縦の割れ目に直交する縮緬状の小さな割れ目が表れます。

関連リンク

真美沢公園の四季 アーカイブはこちらをクリック

関連リンク

真美沢公園の四季 作成にあたって

同じ分類から探す