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更新日:2025年3月25日
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真美沢公園の四季 第八十七回 マガモ
真美沢公園は、以前あった八乙女の広域の水田地帯に向けて3段のため池があった里山が連なる地域に、仙台市北部を住宅地として団地が切り開かれた中で里山とため池といったセットで残されたと思われます。最後まで残されたため池の水を利用していた水田も商業地や住宅地に変わり、里山とため池が、自然豊かな地域資産として残されています。
第八十七回 マガモ
カモと言えばこのカモ、緑の頭に白い首輪
英名:Mallard
マガモは、体長50-65cm、翼開長75-100cm、とカルガモと並んで鴨を代表する大型のカモとなります。胴体はカラスよりやや大きく、また、カルガモと同様に飛翔時に翼の下面の白いのが目立つ美しさを兼ね備えたかもです。
日本では、北半球の冷帯から冬鳥として北海道から南西諸島まで全国的に渡来し、池沼、湖、河川、海上などに生息します。真美沢公園の真美沢沼には、昨年、一昨年と2~3の番が来てくれています。地下鉄がすぐ近くを通っているので、寝床として沼を使うのに抵抗があるのかもしれません。
マガモは、ユーラシア大陸北部の森林地帯で繁殖し、冬季は、南方への渡りを行います。日本では、北海道から本州まで全国的に渡来越冬する冬の渡り鳥となります。北海道と本州中部ではごく少数であるが北へ帰らずに繁殖しています。その理由としては、羽を痛めているなどの体長の異常が考えられるとのことです。
マガモの体長は、50~65cmで、翼開長75~100cm前後と胴体はカラスよりやや大きく、カモ類では、留鳥のカルガモと並んで鴨を代表する大型のカモです。雌雄で色が違います。
オスの方がメスよりやや大きいです。繁殖期のオスは黄色のくちばし、緑色の頭、白い首輪、灰白色と黒褐色の胴体とあざやかな体色をしています。オスは冬期に頭部が緑色をしています。
メスはくちばしが橙と黒で、ほぼ全身が黒褐色の地に黄褐色のふちどりがある羽毛におおわれ、全体的に地味な色調です。これは、北に帰った後に繁殖子育てするのですが、地上にお皿のような巣を作って育てるので、上空から目立ちにくい色調になる必要があるからと考えられます。カモ類にはこのような理由でメスが地味な色調なのが多くいます。
マガモは、人が近づくと岸から離れてしまいます。餌付けをしていても、他のカモ類の反応を確かめてから再びやってくるほど慎重です。その理由は、狩猟が解禁されていた時代、マガモの肉はカモ類の中でも良質と知られていましたので、しばしば狩猟の対象とされて、ずっと人間から命を狙われ続けてきた歴史からか、逃げ足が速くなっていると聞きます。
マガモは、江戸時代前期になって、様々なカモの中で、この青首のカモこそが「真(まこと)」のカモだ、それこそ"カモの見本のようなカモ"だとなって、マガモと呼ばれるようになり、定着したという説が有力とのことです。様々なカモ類がいる中、首が青く白いラインが入るマガモが、通称「あおくび」と呼ばれていて、人々に、カモの中のカモとして認められていたようです。(信号機の緑を青というのと同じ理屈です)
日本に来ている時期は、非繁殖期で、餌を安定的に採餌することを求めて湖沼、河川、海岸に生息し、群れを形成して生活しています。マガモは、泳ぎもうまく、進みが早いです。マガモが頭を水に突っ込んだり、逆さまになったりして餌を探しています。でも水中に潜ることは殆どありません。
食性は植物食が主の雑食で、主に穀物や水草の葉や茎、植物の種子、貝などを食べています。魚やカエルなどの両生類なども食べるものの、主食ではないとのこと。
冬に日本で越冬して食を満足するだけではありません。マガモのオスは、時頼、「グェー グェッ グェッ」と大きな声で鳴いています。それは、越冬中の10月末~12月に、シベリアで次の世代を産むためのお相手を射止めるという、大事なイベントがあるのです。1月になっても一人物のままでいるマガモのオスが、番になったカップルのメスにちょっかいを出して、パートナーのオスから追い立てられるといって様子を観ることもできます。
2月のもなると争いが無くなって、カップルがそれぞれに連れ立っている姿を観ることも出します。春には雄雌が連れ立って繁殖地へ帰っていくという。そんな様子は、真美沢沼でも。この冬、観られるといいなと思います。