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更新日:2025年3月25日

泉区 センタートップ

黒松市民センター

〒981-8006 仙台市泉区黒松1-33-40
電話番号: 022-234-5346 
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真美沢公園の四季 第十七回 ムラサキシキブ

真美沢公園は、以前あった八乙女の広域の水田地帯に向けて3段のため池があった里山が連なる地域に、仙台市北部を住宅地として団地が切り開かれた中で里山とため池といったセットで残されたと思われます。最後まで残されたため池の水を利用していた水田も商業地や住宅地に変わり、里山とため池が、自然豊かな地域資産として残されています。

第十七回 ムラサキシキブ

花や実の様が気品ある美しさを放つ

英名:Japanese beautyberry

ムラサキシキブは、秋の初めごろ北海道〜沖縄の雑木林などの林縁や明るい林の中で鮮やかな紫色の小さな果実が目を引く。樹皮や枝は灰褐色。名前の由来は、淡い紫とおしべめしべの黄色い様や、紫色の実の美しさを讃えて、平安時代の女性作家源氏物語の作家「紫式部」にイメージを重ねて、この植物にこの名が付けられたのは、もともと「ムラサキシキミ」と呼ばれていたためと聞いた。「シキミ」とは重る実=実がたくさんなるという意味。

葉は対生で葉身は長さ6〜13cm、幅2.5〜6cmの長楕円形。先は尾状に尖ります。その先は真っ直ぐではなく、少しだけ弓なりに傾くことで、ヤブブラサキやコムラサキと区別できます。基部は狭いくさび形。縁には細かい鋸歯があるのも特徴で、花や実がついていなくても、わかりやすいです。

11月頃に、紫の小さな果実と黄色く黄葉した葉のコントラストがきれいに映ります。野鳥らに食い尽くされなければの話ですが…。今年もこんな様子が切り取れたらいいなと思います。以前に切り取った写真です。

開花は6~7月。真美沢公園では6月下旬の開花時期でした。小径の道端にひっそりと咲いていました。葉腋から集散花序を出し、淡紫色の花が多数開きます。花弁は筒状で先が4裂し花びらのように見せます。その中は花柱の雌しべ1本とその周りを雄しべが4本、花冠から突き出るように黄色の花粉をたくさん抱いて咲かせます。花柱はさらに雄しべより長く見えます。

昆虫、特にマルハナバチやアシナガバチの仲間が来ているのを見かけました。

秋の初め9月頃に雑木林などの林縁や明るい林の中で鮮やかな赤紫色の小さな果実が実ります。果実は葉の上に乗っているように見えることや、枝が細くまばらにつき、落葉後も実が残るなど、独特の趣があり、品のある紫色も相俟って英名の「日本の美しい実」とされ、名前が付いたことは容易に連想できます。

果実は径3~4mmと小さく、小型の野鳥であるメジロやエナガでもたやすく入ります。紫色の果皮の内側には白い甘い果肉があって、彼らの大好物です。紫色の実は野鳥らにも目立つようで、食べごろに熟すとあっという間に実は枝からなくなっていきます。一個の果実には4つの種子が入っていて、野鳥が食べて糞で出されることでより広い地域に撒かれてゆきます。

ホームセンターなどで、園芸用にムラサキシキブが見られますが、これらの多くが、コムラサキと呼ばれる品種とのこと。全体によく似ていますが、コムラサキの方が小ぢんまりとしています。細い枝が長く伸びて弓上に垂れていて、葉は少し小さく、葉の先端半分にだけ鋸歯があるのが特徴です。ムラサキシキブの実は不揃いで、まばらな印象を受けますが、コムラサキは密生する等で見分けられます。

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