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更新日:2025年3月25日

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黒松市民センター

〒981-8006 仙台市泉区黒松1-33-40
電話番号: 022-234-5346 
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真美沢公園の四季 第七十三回 イノコヅチ ヒカゲイノコヅチ

真美沢公園は、以前あった八乙女の広域の水田地帯に向けて3段のため池があった里山が連なる地域に、仙台市北部を住宅地として団地が切り開かれた中で里山とため池といったセットで残されたと思われます。最後まで残されたため池の水を利用していた水田も商業地や住宅地に変わり、里山とため池が、自然豊かな地域資産として残されています。

第七十三回 イノコヅチ ヒカゲイノコヅチ

花弁の無い小さな花 小胞が変化したクリップが、通る動物の毛にひっかけて運ばれて広がる。

英名:pig's knee

イノコヅチは、北海道を除く日本の本州、四国、九州に分布する高さ50~100cmになるやや大型な多年草です。日のあまり当たらない林縁、林内、山野、路傍、藪などいたるところに生えています。茎は根元から分かれ、四角形で、節が膝のようにふくらみ固い。葉は対生し、先の尖っている楕円形をし、長さ5〜15cmとなります。花期は8〜9月で、茎の先やまれに分かれる枝先に細い穂状花序をだし、単花被花をややまばらにつけます。果実は胞果で、花後に閉じた花被片に包まれて、果軸に下向きにぴったりつく胞果は長さ約2.5mmの長楕円形で、中に種子が1個できます。

茎は根元から分かれ、茎は四角形で、節が膝のようにふくらんで固いです。徒長気味に直立して或いは斜めに伸び高さ50cmを超えます。茎の上部ではあまり枝分かれしません。草丈の高さは長いもので1m近くにもなります。茎の色ははじめ濃い緑色ですが、茶褐色に変わっていきます。葉は対生し、先の尖っている楕円形をし、長さ5〜15cmと薄く、両面にまばらに毛があります。葉は日陰にあるものらしく緑色が濃いのが特徴となります。

花期は8〜9月で、茎の先やまれに分かれる枝先に細い穂状花序をだし、地味で目立たない緑色の小花~単花被花~をややまばらにつけます。見慣れないと、蕾なのかもう実になっているのか外観からはよくわからない緑色の小花ですが、花弁はありません。咲いているときは萼片がぱかっと開いて花粉を飛ばすしくみの風媒花です。つぼみの時や果実時には軸に下向きに圧着しています。一斉に開花せずに、基部から先に向かって咲き上がります。これは、多くの小さい花を咲かす植物に観られます。時期を少しづつずらして長い期間開花して、受粉を確実にする工夫です。一本の枝に多くとも3つほどが開いている状態です。

花は、花被片は5個で、3つの脈があり、先が尖がります。苞は1個あり、膜質の卵状3角形で小さく、花後も残ります。雄しべ5個で、その5個の間に淡黄色の薄い膜状の仮雄ずいなるものもあります。葯や花糸が発達せずに本来の生殖機能をもたない雄しべとのこと。雌しべ1個は、雄しべよりも低く目立たないようにあります。花の上側にやがて紫褐色になる先が尖った2個の小苞があります。女子が小顔に見せるために顔の輪郭を隠そうとこめかみから垂らす髪を”触角”と言いますね。その様な役目の装いですが、後に大事な役目があります。次の項で解説します。

果実は胞果で、花後に閉じた花被片に包まれて、果軸に下向きにぴったりつく胞果は長さ約2.5mmの長楕円形です。中には種子が1個あり、熟しても裂けない。花被片に沿うように抱いている小包はとげ状となります。例えるとクリップのような役目で、動物の毛に、たまには人間の衣服の繊維に絡んで付いて散布され、遠くに運ばれた先で落とされて芽を出すのです。動物散布の中でも、引っ付き虫といわれる仲間の一種となります。

イノコヅチの和名の由来は、茎の節が膨らんでいて、猪子の膝のように見え、これを槌に見立ててこの名がついたという。イノコヅチというとヒカゲイノコヅチを指すが、日向に花咲くヒナタイノコヅチと区別する意味での別名。さらにフシダカ、コマノヒザとの別名もあります。地方によってはサシグサ、ノサバリコ、ヌスビトグサ、モノグルイという方言名でも呼ばれているという。

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