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更新日:2025年3月25日

泉区 センタートップ

黒松市民センター

〒981-8006 仙台市泉区黒松1-33-40
電話番号: 022-234-5346 
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真美沢公園の四季 第五十五回 オオヤマオダマキ

真美沢公園は、以前あった八乙女の広域の水田地帯に向けて3段のため池があった里山が連なる地域に、仙台市北部を住宅地として団地が切り開かれた中で里山とため池といったセットで残されたと思われます。最後まで残されたため池の水を利用していた水田も商業地や住宅地に変わり、里山とため池が、自然豊かな地域資産として残されています。

第五十五回 オオヤマオダマキ

下向きの花は小豆色にクリーム色が何とも落ち着いた取り合わせ

英名:無し

オオヤマオダマキは、北海道から九州の低山から亜高山帯の草地や林縁などに生えるとありましたが、さらに調べてみると、東北から北海道に目撃情報が多いことがわかりました。草丈は40~80cmほどで直立し、茎頂付近で枝分かれし、それぞれの先端に直径3~4cmほどの花を6-8月上旬に、距の先端がくるりと斜め下方向に巻いた様で、下向きに花が咲きます。果実は袋果です。

真美沢公園では、旭丘堤から東黒松に抜ける通り沿いに、5月中旬より花が咲いていました。ホタルブクロかなと思いましたが、距があったことから、別の種類と同定していました。

日本では、ヤマオダマキの変種であるとされていますが、よく調べてゆくと、オオヤマオマダキとヤマオマダキと双方が分布・育っているのは日本のみとのことで、オオヤマオダマキしか分布しない中国やロシアなど東アジアでは、オオヤマオダマキとヤマオダマキは別種とされています。

オオヤマオダマキとヤマオダマキを比べてみると、形状はほとんど変わりません。「大(オオ)」という頭文字がつきますが、大きさもほぼ同じとのこと。両者は、花が開いた時の「距」の部分に違いあり、そこが見分けるポイントとなります。

  • 距の先端が下を向いたまま→オオヤマオダマキ
  • 距の先端が真っすぐ伸びたもの→ヤマオダマキ

和名の苧環とは、紡いだ麻糸を、内を空にして丸く巻いた形を言い、オオヤマオダマキよりもヤマオダマキ(右)の様が、距がなく4本または5本の芯が空に真っすぐ伸び散る分、その様に近いようです。花の様子が苧環に似ていることから。

葉は、根生葉と上部の葉で大きく形を変えます。根生葉は束生し、2回3出複葉…つまり葉柄から三つの小葉を出し、その小葉がさらに3つの小葉に分かれるといった葉を広げます。その葉柄の長さは15-25cmになります。一方の茎の上部の葉は3~4cmの扇形、先端が2~3中裂し、さらに2~3浅裂しています。

オオヤマオダマキの花は、6月から8月に、枝分かれしたそれぞれの茎の先端部に直径3~4cmほどの花を咲かせます。その花の形状は非常にユニークです。まず、斜め下方向に咲いていることです。虫媒花と思われます。

赤茶色の5枚の花弁のように広がるのは、実は萼片で、花の中央の先端部が淡黄色のものが花弁です。長さが1.2~2.5cm、花弁も5枚です。花弁の基部に近い部分は重なり合って5つの部屋ができているように観えます。

オダマキの花の仲間で、このオオヤマオダマキが最も特徴的な部分は後ろ方向に突き出す花弁の一部である「距(きょ…花の後ろに突き出した中空の角状のもの)」と呼ばれる部分です。距の先端部が内側に巻き込み、その先が球状になっているのが面白いです。

花弁の中央に雄しべ(先端部が黒ずんでいる)を多数つけ、よく見ると中央に雌しべが1つ伸びているのも確認できます。

果実は袋果です。受粉した雌しべは、下向きから上向きに変わり、萼片と花弁はやがて落ちていくが、その中で雌蕊が成熟して、長さ1.5-2cmの5個の袋果の果実となります。腺質の短毛が密に生えています。袋果の中には、光沢のある黒色の種子が多数つくられています。風で飛んでいく細かな種です。

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