ページID:1093
更新日:2025年3月25日
ここから本文です。
真美沢公園の四季 第八十六回 シジュウカラ
真美沢公園は、以前あった八乙女の広域の水田地帯に向けて3段のため池があった里山が連なる地域に、仙台市北部を住宅地として団地が切り開かれた中で里山とため池といったセットで残されたと思われます。最後まで残されたため池の水を利用していた水田も商業地や住宅地に変わり、里山とため池が、自然豊かな地域資産として残されています。
第八十六回 シジュウカラ
白いほっぺのネクタイ紳士
英名:Japanese tit、Eastern Great Tit、Oriental Tit
全長14.5cmのスズメ大。翼を広げると22cm程、体重は14g。シジュウカラ科。日本ではほぼ全国に分布するも、北日本に多く、西日本には少ないとされています。平地から山地の林に棲み、林縁の市街地、住宅地で観ることも多い鳥です。木の穴に巣をつくりますが、人工的な狭い穴にもよくつくる。「ツィツピン ツィツピン」と鳴いて、鳥の中でもいち早く春を告げます。
スズメほどの大きさで、黒い頭に広い大きなほほ、胸元にきりっとネクタイを付けて、餌となる植物の種を探している姿が印象に残る。なんといってもネクタイ姿の野鳥で他の野鳥と区別がつけやすい。首の後ろあたりは山吹色のマフラーをしているのも覚えておきましょう。また、シジュウカラやヤマガラ、ヒガラなど「カラ」のつく野鳥をカラ類と呼んでいます。シジュウカラは、そのカラ類の中でも、識別しやすいことも手伝って最もよく見られる鳥です。
真美沢沼の北側、セイタカアワダチソウの種子が群れてなびいているあたりに多く見かけます。食性は雑食です。春から夏には、枝葉の部分で昆虫類を食し、秋から冬には、地上に下りて、落葉をはねのけて昆虫や小さな実を割って捕食する。繁殖期は3月からで、オスは、キツツキ類が開けたであろう樹穴や色々な木の樹洞や石垣の隙間などを覗いて回り、良さそうな穴をメスに紹介してメスにアピールするという。
つがいが生む卵の数は最大10個と多く、それをメスがずっと抱卵するが、その間、オスは、メスに求愛給餌をし続ける。一夫一婦制ですこぶる仲が良いという。その関係は繁殖期を終わっても続き、離婚率は1割程度と低いのだそうで、見習なくてはいけないのは人間のほうかもしれませんね。
秋冬期には、数羽から数十羽の群れをつくり、他のカラ類やエナガなどと混群となって樹上に群れていることもあるという。まだ群がっている姿は見ていない。その際、シジュウカラは食べ物を貯えたりしないが、コガラやヒガラが貯えるのを見ていて、かすめとったりすることもあるそうです。
名前は、漢字で「四十の雀」と書いてシジュウカラ…たくさん群れるから、という説や、スズメ40羽分の価値があったことから名付けられたという説、地泣きの際「ジジジッ」が「シジュウ」に聞こえることからという説らに由来します。
シジュウカラで検索して学んでいて、あの有名な一休さんの小坊主時代のエピソードを見つけました。それは『一休さんの引導』あるいは『四十雀の引導』と呼ばれている民話です。・・・檀家の人が「飼っていた四十雀が死んだのでお経をあげてほしい」とやって来た。あいにく和尚は法事で留守中。出て来たのは小坊主。小坊主が「これは何ですか」と聞く、「これは四十雀(シジュウカラ)という鳥です」と檀家は答える。小坊主はまだお経といっても「なむなむなむ」しか知らない。そこで思案を巡らせた小坊主はこうお経をあげた。「なむなむなむ。人生わずか50年、お前は小鳥であれども四十雀とはよく生き過ぎたり。喝!なむなむなむ」。檀家は満足してお布施を包み家路へ。そこへ和尚が戻ってきて「何か変わったことなかったか?」。小坊主はありのままにこんな文句で四十雀に引導を渡したと報告。すると和尚は「俺でも思いつかない文句」と褒めたとか……。