真美沢公園の四季 第六回 オカトラノオ
2022年7月10日
真美沢公園は、以前あった八乙女の広域の水田地帯に向けて3段のため池があった里山が連なる地域に、仙台市北部を住宅地として団地が切り開かれた中で里山とため池といったセットで残されたと思われます。最後まで残されたため池の水を利用していた水田も商業地や住宅地に変わり、里山とため池が、自然豊かな地域資産として残されています。
第七回 オカトラノオ
花穂の先端が虎の尾のように一度枝垂れた穂先の先端がすこし上を向く「凛とした様」
英名:Gooseneck loosestrife
オカトラノオは平地から低い山地の日当たりのよい草地や道端に見られる多年草。高さ0.6〜1m程です。花序の傾きが、ただたれるだけでなく、先がピ~ンと斜め上のほうにはじいています。下の写真はその典型です。その様が、トラの尾っぽの様に似ていることからついているとのこと。トラの尾の写真は皆さんでご覧ください。今咲いていますよ。6後半から〜7月にかけてその白い小さな花を多数つけます。冬は地上部が枯れるが、地下に細長い地下茎が多数あり、これを伸ばして殖える。そのため群生している様を見せてくれます。
茎は丸く直立、短毛がまばらに生え、基部は赤みを帯びています。高さ60~100cmになり、葉は互生し、6~15cm、幅2~6cmの長楕円形または狭卵形で、先が尖り、短い柄を持ちます。表面全体と裏面脈上に短毛がまばらに生えています。若葉は基の方が赤みがかり美しい。
秋、オカトラノオは「葉紅葉(はこうよう)」と言って、黄色にさらに赤い斑点がはいることも。さらに赤く色づく様子を観ることもあります。
花期は6月から7月で、今年瓢箪沼での最初は7月に入ってからでした。白色の小さな花を茎の先に総状花序を出し、穂の下方から開花していく。花穂の先端が虎の尾のように、一度枝垂れた穂先の先端がすこし上を向く形状が「凛としていて」虎の尻尾に見える様から、名前がついたといいうのが有力です。漢字をあてると「丘虎の尾」となります。つぼみの様を見ると針のようですが、蕾の基部に線形の苞が密集していて、花穂をよく見ると、たくさんの花に隠れて苞が見え隠れしています。
花冠は直径1cm程で深く5裂する合弁花です。雌しべの花柱を中心に、雄しべが5本周りを囲みます。花序の長さは100mmから大きいもので300mmにもなります。不思議に周り全ての穂が同じ方向に垂れている様は、偶然なのかと見入ってしましました。
果実は蒴果送信。熟すと果序は花の時期よりもさらに長くなり、軸は垂れている様からほとんど横向きになります。一つ一つが花であった果実は上を向いており、径2.5mmで球形の蒴果です。その中にアサガオの種のように、さく状の種子が詰まって実っています。
オカトラノオは、種子で次世代へつなぐだけでなく、地下に細長い地下茎が多数あり、これを伸ばしてふえていきます。そのため群生しているのが普通です。秋に地上部は枯れてなくなりますが、地下茎は春になるまで地上に芽吹く機会を待っていることになります。
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