真美沢公園の四季 第十三回 チヂミザサ
2022年8月28日
真美沢公園は、以前あった八乙女の広域の水田地帯に向けて3段のため池があった里山が連なる地域に、仙台市北部を住宅地として団地が切り開かれた中で里山とため池といったセットで残されたと思われます。最後まで残されたため池の水を利用していた水田も商業地や住宅地に変わり、里山とため池が、自然豊かな地域資産として残されています。
第十三回 チヂミザサ
長短2本の針と粘液で強力に刺さってくっつく「ひっつき虫」
英名:Wavyleaf basketgrass、Spicate armgrass
チヂミザサは、北海道〜九州の林縁や林地の木陰に、ちょっとしたこんもりした薮の縁などにも生育し、やや群生する。高さ10~30cmの多年草。基部は長く地を這って枝分かれし生長する。道端や原っぱの縁でもではあまりめだたないものの、ここあそこに生息しています。葉は互生し、広披針形で先は尖る。葉は縁が縮んで波打つのが特徴でそれを目当てに探せます。イネ科の特徴の通り、花びらを持つ花はつけません。8月から10月にかけて茎先に約10センチの穂状花序を伸ばし、長さ約3ミリの狭卵形した小穂を多数つけます。
上の写真のように、群生しているというよりは、他の植物との競争の中で生息しているのがほとんど、波打つ葉を目当てに探してみてください。
小穂の基部には2個の苞頴(ホウエイ:蕾を包むように葉が変形した部分)があり、その先端に長い芒(ノギ)をつける。この芒が後に大事な役目を持ちます。
芒が衣服によく突き刺さること。粘液でべたべたしていること。これにより自然には衣服から剥がれ落ちない。手で払っても全然落ちない。歩いているうちに勝手に剥がれ落ちては・・・くれません。指で摘まんで一つ一つ摘み取って除去する以外に手はない。百個ほどをちまちまちと取り続けたこともあります。山野を歩いたあと、洗濯した靴下を履いたらなんかちくちくすると思ったことありませんか。チヂミザサの芒が一部残ったままなのではと疑ってみるべき。
なお、このチヂミザサを、茎や花序軸に開出する毛の多いもの、少ないものなどあり、毛が多いものを「ケチヂミザサ」(左側)、毛の少ないものを「コチヂミザサ」(右側)と分ける場合もあるとのこと。あまり気にせずに散策していただいて構わないと思いますが、参考にしてください。
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