真美沢公園の四季 第八十二回 ネズミモチ
2023年12月24日
真美沢公園は、以前あった八乙女の広域の水田地帯に向けて3段のため池があった里山が連なる地域に、仙台市北部を住宅地として団地が切り開かれた中で里山とため池といったセットで残されたと思われます。最後まで残されたため池の水を利用していた水田も商業地や住宅地に変わり、里山とため池が、自然豊かな地域資産として残されています。
第八十二回 ネズミモチ
ネズミの糞そっくりの果実は胚乳がほのかな甘みで、野鳥の冬の貴重な餌に
英訳:Japanese privet
ネズミモチは、高さ5mほどになる常緑小高木です。東北南部地方以西〜沖縄の低地や低山の日向に生えています。調べていくと多くの図鑑には関東以西とされていますが、温暖化でしょうか、仙台でも繁殖し命をつないでいます。照葉樹林における代表的な陽樹であり、森林内の開けたところや、整備された公園の他の樹木に紛れて、さらに山火事のあとなどに陽の光を捉えて生じます。よく横枝を出して、塊状の樹形になります。
名前の由来は、葉の様子がモチノキに似ていることや、果実がネズミの糞にそっくり容姿からの命名という。 ただし、今時、ネズミの糞といっても見たことがない人が多のではないでしょうか。逆に、ネズミモチの、長さ1cmほどの黒い紡錘形の果実を見せて、ネズミの糞はこれとそっくりです、と説明したほうが分かり易いかもしれません。中国からの渡来したトウネズミモチは、実が丸めで、固まって房のようにして実ります。園芸種として用いられることが多いそうです。
葉ははっきりと対生し、長さ4-8cm、楕円形から広卵状楕円形、両端ともとがり、革質で厚手でのっぺりとしており、全縁(葉の縁のギザギザがない)で表面にはつやがあります。葉柄は長さ5-12mm、紫色を帯びることが多いです。
熟して落ちている果実を観て、「ネズミの糞」と、捉えられる人は、実施にネズミを観ている方ですので、相当の年配の方のみなのかなと思います。果実は長さ8-10mmの棒状に近い楕円形で、はじめ緑、後に表面に白い粉を吹いて黒く熟する。この果実は野鳥がよく食べ、糞として種子を落とすので、あちこちに実生の幼木をみかけます。食すと、外皮は硬くはないが、実のほとんどを占める胚乳(芽吹際の最初の栄養分となるだろ部分)が、米粒のように硬めで、ほのかな甘みと、直ぐに苦みもやってきました。
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