真美沢公園の四季 第九十六回 イヌブナ
2024年3月31日
真美沢公園は、以前あった八乙女の広域の水田地帯に向けて3段のため池があった里山が連なる地域に、仙台市北部を住宅地として団地が切り開かれた中で里山とため池といったセットで残されたと思われます。最後まで残されたため池の水を利用していた水田も商業地や住宅地に変わり、里山とため池が、自然豊かな地域資産として残されています。
第九十六回 イヌブナ
三角に近い円錐形のドングリを2個実らせる
英名:Japanese beech、Japanese Blue Beech
イヌブナは、岩手県以南の本州、四国及び九州に自生するブナ科の雌雄同株で雌雄異花の落葉高木です。海抜の低い太平洋岸の低山帯のやや乾燥した山地に多く、中部地方以北の日本海側の多雪地帯にはほとんど分布しない樹木で、樹高25m、直径70cmほどに生長します。萌芽力が旺盛で主幹が枯れてもひこばえが成長することによって、個体としての生命を維持するといった「特異な能力」を持ち合わせているとのこと。
葉は互生:枝から互い違いに生じ、葉身は長さ5〜10cm、幅3〜6cmの長楕円形で、やや薄い洋紙質です。裏面には白くて長い絹毛があります。葉の縁には波状鋸歯があり、側脈は10~14対で、側脈が鋸歯の凹部に至ります。その側脈はブナの7~11対より多くなります。
雌花は直径5mmほどの総苞の中に2個入っていて、総苞は4裂して、雌しべの柱頭がでて、その先端は三つに裂けています。花粉を受けやすくする工夫です。雌花が総苞から顔を出しているのと、長く花序柄を出しているのを見つけました。長い柄の方は受粉して果実への準備が始まっていると思われます。
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